大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム |
言い間違えと聞き間違えの連鎖(みどり線、あか線) |
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私:方言の成因については柳田國男の方言周圏論はじめ、各種の理論がある。そこへ僕が何かを唱える事は、はなはだ不謹慎というか、恐れ多いことだが、自分が素直に感じている事であれば、少しはお書きしてご批判を賜りたい。 君:そんな前置きはいいから、いったい何に気づいたの。若しかしてJR。 私:そうなんだよ。土曜日の朝、高山始発の特急に乗り職場へ、という予定だったが、早くに目覚めて高山駅に着いた。実は特急の一つ前の各駅列車に間に合ったので、それに乗り下呂まで、下呂では途中下車する事なくあらかじめ購入していた特急券の高山・下呂間を払い戻していただいて、下呂でその特急に乗った。 君:高山から下呂までは各駅停車の列車、下呂で後続の特急に乗り換えたのね。 私:そう、そしてその各駅停車の列車だが下呂駅どまり。下呂が終点。 君:それで? 私:車内アナウンスが面白かった。高山を出発してしばらくは「この列車は下呂行きです」のアナウンスだった。ここまではよし。 君:当たり前の車内放送じゃないの。 私:ところが下呂に近づくにつれ、車内放送が「この列車は美濃行きです」に変わった。 君:なるほど、岐阜県は飛騨と美濃の二つの国。つまりは下呂が終点は貴方の勘違いで、若しかして美濃太田が終点かと思ったのね。 私:その通り。ところが、各駅停車毎の車内放送が「この列車はミノリ行きです」に変わった。この時点で「この列車は美濃行きです」が実は聞き間違いである事に気づいた。 君:ほほほ、リ、の音がはっきりと聞こえたのね。 私:そう。でも「この列車はミノリ行きです」というのは日本語としてはナンセンス。だから、これすら聞き間違いなのでは、と気づいた。 君:ほほほ、いいから結論をおっしゃいよ。というか、表題に答えが書かれているわね。 私:そう。落ち着いて聞くと「この列車はミドリ行きです」に聞こえる。おかしいな、ミドリって何だろうと考えつつ、下呂駅に到着した。到着して瞬時に意味は分かった。 君:プラットフォームに案内表示があったのね。 私:そう。JR東海は、区間快速・ワンマンを緑色で表現し、新快速を赤色で表現する。僕が下呂まで乗ったのは区間快速・ワンマンで、区間がみどり線だったという事。 君:みどり行き、はいただけないわね。 私:そう。みどり線終点という意味の「みどり行き」の車内放送だったんだよ。 君:それで本日の結論は? 私:やっと本論だ。方言形成のメカニズムは言い間違えと聞き間違えの連鎖。 君:今回のあなたの場合は、甚だしい聞き間違えね。ほほほ |
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