第三人称複数の蔑称(共通語では差し詰めあいつら、やつら等)
に該当する単語のひとつに飛騨方言では、ああら(○●●)、があります(○弱、●強)。
ところが第三人称単数の蔑称に、ああ、とはいいません。
つまりはどうにもこうにも、ああらの元の言葉・単数形が私には思い浮かべられないのです。
その昔はあいつら、といっていたのが時を経て、ああら、というようになったのでしょうか。
まさかね。
ところで第三人称の単数は男女とも、ありぃ、です。
そしてこれを複数形、ありぃら、あるいはありぃだち、にしても単に彼ら、彼女ら、という意味
に留まり、敬称にも蔑称にもないように思います。
おそらくは、ありぃら、が次第に、ああら、と発音されるようになり
蔑称の意味が加わってきたのではないでしょうか。
さてせっかくです、応用編とまいりましょう。
私・おりぃ、を活用して
おおらぁ(○●●)
というと私たち、という意味の謙譲語に
なりましょう。私はその昔、竹馬の友とこの言葉を言い交わしていたような気がします。
また、あなた・わりぃ活用して
わあらぁ(○●●)
というと貴様ら、という意味の別称(あるいは蔑称)に
なりましょう。これも、私、昔使っていたような気がなんとなくするのですが。
蛇足ながら、ああら、は実はバリバリの現役の言葉です。
今でも大西村では誰彼もが使うんですよ。でも高山の市街地では使われないでしょうか。
もっとも大西村は今では市町村合併で高山市となっていますので、
大西地区高山市民には( はい自信を持って書こう )ああら、を使う人が間違いなくいます。
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