大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

あぶる・飛騨方言

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あぶる、は国語辞典に共通語として記載のある言葉ですが、全国各地の方言として、ネット発信があります。手をあぶる、という慣用表現で、 火にかざして手をあっためる、という意味での紹介が多く、飛騨方言でもよく用いられます。寒い地方に多い表現でしょう。 さて、国語辞典にある、あぶる、は火に当てて焼く、乾かす、というの説明があります。 実際は、飛騨方言にあります動詞・あぶる、は
(1)文字通り焼く、という意味(例、魚をあぶる)、

(2)火にかざしてあっためると言う意味(例、手をあぶる)、

(3)火にかざして物を乾かすと言う意味(例、服をあぶる)、

(4)火の力を増すためにうちわでパタパタさせると言う意味
  (例、火がちいさいで、うちわであぶらにゃ)、
     (=火力が無いから、うちわでバタバタしなくちゃ)

(5)さらには、もはや火の意味がなくなり、
  単にうちわでパタパタさせる、扇ぐと言う意味
  (例、うちわであぶると、ちったあ涼しい)
   (=うちわで扇ぐと、少しは涼しい)、
というように意味が変遷してきているように思います。

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