飛騨方言動詞・あぐむ、ですが、古語辞典にあるように、いやになる、疲れてあきが来る、うんざりする、あぐねる、
という意味で用いられ、古語が現代に生きている方言です。
現代語では、あぐむ、は動詞の連用形につけて用いられる言葉であり、例えば、考えあぐむ、などといいます。
飛騨方言では、〜していまう、がつまった表現、〜てまう表現、が続く事が非常に多く、あきてしまう事を、
あぐんでまう、といいます。勿論、考えあぐむも用いられますので、考えあぐんでしまう、は、考えあぐんでまう、
といいます。
他に、しばしば用いられる表現が、よう、そんねあぐみもせんで、根気のええこっちゃ
よく、そんなにあきもしないで、根気のいい事だ。
です。飛騨方言動詞・あぐむの名詞形が、あぐみ、です。但し、あぐみが単体で用いられる事は私の知る限りありません。
あぐみもせんで、のフレーズを品詞分解してはいけません。
従ってあぐみ、という名詞は飛騨方言にはありません。
また、飛騨方言では、あぐまないで、とは言わず、必ず、あぐまんで、といいます。
またあぐまんで、あぐみもせんで、の両者は同頻度で用いられます。
アクセントの部分を括弧でくくりますと、あ(ぐ)む、あ(ぐ)んでまう、あ(ぐ)みもせんで、あぐ(ま)んで、となります。
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