大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

あんばよう・飛騨方言

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あんばよう、とは共通語・塩梅よく、が訛った言葉です。 ところで飛騨方言では、よい、という形容詞の活用は、未然(よかろ、えかろ)、連用(よう、えかっ)、終止形(ええ)、連体(ええ)、仮定(よけりゃ、えげりゃ)です。 従って、あんばいよう(あんばい(名詞)+形容詞・よい、の連用形・よく、のウ音便) が、あんばよう、に変化したのです。 この語が更に詰まって、あんばよ、となる事もしばしばです。 例えば、あんばよせる、は塩梅よくする、という意味です。

もうひとつの連用形・塩梅よかった、は飛騨方言では、あんばいえがった、ないし、あんばいえかった、に なります。 従って、共通語・塩梅良い、は飛騨方言・あんばいええ、になります。 い、の音の脱落は生じないようです。

塩梅の読みが按配である事の説明は 語源由来辞典・あんばいに 詳しく、塩梅は塩と梅酢を合わせた調味料を意味し元々「えんばい」、 按排「あんばい」、上手く処置する・具合よく並べる事、 と意味が似ていたため中世に混同が起こり、「塩梅」が「あんばい」となったようです。 また、体調の意味は近世頃との事です。

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