飛騨方言の他動詞・いける、ですが、埋めるという意味です。
アクセントは、け、にあります。
古語動詞・いける(埋ける)、いくるに由来する動詞で、同様の意味で全国各地からネット発信があります。
古語動詞・いける、は土の中や灰の中に埋めるという意味で、飛騨方言と同意です。
日葡辞書(にっぽじしょ) には、クリ、ミカンナドヲイクル、とあります。
活用は、け、け、ける、ける、けれ、けよ、です。
水がめ、いけんとだしかん(=水がめを埋めないとだめだ)、
水がめ、いけて水いれる(=水がめを埋めて水をいれる)、
水がめ、いけるぞ(=水がめを埋めるぞ)、
水がめ、いける時間がない(=水がめを埋める時間が無い)、
水がめ、いけりゃえんや(=水がめを埋めればいいのだ)
水がめ、いけよ(=水がめを埋めなさい)
注目すべきは、
いけぬと、は、いけんと、と撥音便化するのが普通である事、
いければ、は、いけりゃ、と音便化するのが普通である事、
命令形は、必ず、文語・古語表現で、よ、になる事です。
飛騨方言では、助詞の、を、はしばしば省略されます。
例えば、"水がめいけて、水いれて、ふたして、汗拭いて、"、というように話します。