大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

いのく・飛騨方言

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飛騨方言自動詞・いのく、ですが、動く、という意味で用いられます。 古語動詞に、いのく(居退く、自四)、があり、飛騨方言・いのく、の語源と考えられます。 いのく(居退く、自四)、とは、その場から離れる、立ち退く、という意味です。 飛騨方言とは明らかに意味は異なりますが、発音・いのく、がそのまま残ったまま、 共通語・動く、が成立してからは、意味が動くと同意になったであろうと考えられます。

いのく、は全国各地の方言としてネット発信があります。 鴨居・浦賀の方言のごとく、いごく、という動詞の発信もあります。 いのく>いごく>うごく、の如く、日本語の発音の変化並びに意味の変化が起きた事が考えられます。 飛騨方言はじめ各地の方言とも、自動詞である事が共通です。 飛騨方言では他動詞としては、いのかす、を用います。

飛騨方言・いのく、の活用は、のか、のき、のく、のく、のけ、のけ、です。
車ぁいのかんとだしかん(=車が動かないとだめだ)、
車ぁいのいて出ていった(=車が動いて出ていった)、
車ぁいのくぞ(=車が動くぞ)、
車ぁいのく時間がない(=車が動く時間が無い)、
車ぁいのきゃ(あ)えんや(=車が動けばばいいのだ)
車ぁ、ほりゃ、いのけ(=車よ、それ動け)
いのきて、は、いのいて、とイ音便化します。 いのけば、は、いのきゃ、ないし、いのきゃあ、と音便化します。 また、飛騨方言では、主語の、が、は、が明瞭に発音されず、あるいは省略される事もあります。 車ぁ、は、車が、ないし、車は、の意味です。

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