飛騨方言動詞・いざらかす(他四)、は共通語で、いざるようにさせる、という意味です。
そして飛騨方言でも、他動詞・いざらかす、に対応する自動詞は共通語と同じく、いざる、になります。
一方、共通語では自動詞・いざる、に対応する他動詞は存在しないようです。
さて共通語および古語動詞・いざる、の意味は、三つあります。
すわったまま進む、船が浅瀬で船底をこすりながらも前進する、物が自然にずれ動く、の三者です。
いざる人、ないし、いざる行為を、いざり、といいます。
飛騨方言・いざる、の意味は、すわったまま進む、物が自然にずれ動く、の二者です。
いざらかす、の活用は、さ、し、す、す、せば、せよ、になります。サ行イ音便動詞ですが、
いざらかさぬ>いざらかさん、いざらかして>いざらかいで、いざらかせば>いざらかしゃ、になります。
命令形は、男性が用いると、いざらかせよ、女性が用いると、いざらかしないよ、になります。
いざらかす、のネット情報は、名古屋、三河、岐阜、からの発信がありますので、
濃尾平野と飛騨地方で話されている方言のようです。
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