黄色い、は飛騨方言で、きいない、ですが、更には、岐阜・静岡・徳島・福岡などの方言です。また、きない、という地方もあり、富山・美濃・愛知・石川・京都・徳島・愛媛、などです。以上、小学館方言辞典から。
古語辞典には、きなり・黄也・名詞・形動ナリ、の記載がありますが、明治の国語辞典・言海(ちくま学芸文庫)には、き・きいろ・きいろし、の記載があります。
以上から明らかですが、江戸時代までは中央・飛騨ともに、黄な、という言い回しであったのが、明治になって中央では、きいろい、という形容詞が出現し、飛騨に於いては、黄な、が言いやすく延びて、きいない、になったのです。以上、東京堂出版地方別方言辞典から。
さて、日本語で、い、で終わる色は、赤・青・白・黒・黄色・茶色、の六色のみですが、茶色い、の言い方は実は戦後からで、それ以前は、茶色の、と呼んだのでした。 ps 2021/10/5 前田勇「江戸語大辞典」に「きいろい黄色」がありますが、操り・浄瑠璃の社会隠語で、意味は「悪い・よくない」です。文化元年・東都真術。同じく「しろい」という隠語が使われた時代で、「白い・黄色い」は「悪い」を意味する当時の隠語でした。
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