大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

くろにえる

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飛騨方言で、内出血して皮膚の色が変わる、青あざができる事をいいます。 内出血がほんの少しの場合あるいは皮膚の深部の場合には、色が青っぽいという事で青あざでよいのでしょうが、 勿論、くろにえる、とは、寧ろ、黒く皮膚の色が変わる事を指し示しています。 がしかし、ほんの少量の内出血の場合もくろにえる、といい、出血の量、程度は問題とはなりません。

さて名詞部分、くろ、については異論がないとして、問題は動詞部分、にえる、の解釈です。 目から火花が出るともいいますし、出血部分はジンジンと熱く感ずるものです。 がしかし、煮える、という意味でないことは明らかでしょう。 あくまでも推察ですが、にごる、が転じたものではないかと思います。 皮膚の色が黒く濁るとの言い、という解釈です。

実は、岐阜県恵那地方では同意で、くろにげる、と言うようです。 私には極めて、黒く濁るに近い響きの言葉と感ぜられます。 実は和歌山方言に同意で、くろにえる、があるようです。 新宮市民の方は、えっ、飛騨方言もですか、と驚きなさるでしょう。 残念ながらネット検索では"くろにごる"はヒットゼロでした。 がしかし、黒くにごる、黒く濁る、は共に相当数ヒットしますので ありふれた日本語表現であることは言うまでもありません。

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