飛騨方言で、くすげる、は突き刺すという意味の他動詞で、
くすがる、は突き刺さるという意味の自動詞です。
全く同じ意味で、全国各地の方言としてネット発信がありますので、
古語に由来する動詞である事が容易にわかります。
さて、くすげる、くすがる、も共に古語辞典には無く、元の動詞が何であったか、
類推せねばなりません。
上記のネット発信ですが、串刺しにする、串刺しになる、という説明もあり、
佐七は、くすげる は くし+古語他動詞・すげる、が原意であろうと推察します。
古語他動詞・すげる(挿げる)、の意味は、刺し込む、はめこむ、刺し通して結びつける(枕・五)、です。
ただし、古語名詞・くし、は酒。髪の毛、くび、かしら、こうべ、などの意味であり、
串+挿げる、という考えに難点が無いわけではありません。
がしかし、すげる(挿げる)、が、くすげるのもとの言葉の一部ないし全体であろう事は
疑うべくも無いでしょう。
また、くすげる、と言う他動詞が発生すれば、くすがる、という自動詞が続いて生成されたので
あろう事はいわずもがな。
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