飛騨方言では共通語の、〜さん、という敬称を、ん、を省略して、〜さ、といいます。
例えば社長さんは飛騨方言では社長さ、駅長さんは飛騨方言では駅長さ、などです。
ところがせっかく詰まった言葉が間延びして、〜さあ、となることもありましょう。
さて、飛騨は山国ですので、漁師さ、というのはあまり身近な言葉とはいえないかも知れませんが、
猟師さ、きこりさ、だいく(大工)さ、しゃかん(左官)さ、などが身近な職業といえましょう。
死語に近いことばがひとつありますが、こうやさ、です。こうやのしろばかま(紺屋の白袴)という諺にあるように、
こうや、とは、昔、村々にあった染物屋のことです。染物屋さんだから、飛騨方言では、こうやさ、です。
これが更になまって、こやさ、という事もありましょう。
屋号にあれば、かつて染物屋さんであったと言うことがわかります。
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