わらかす、は全国の方言としてネット情報が多いのですが、笑わせるという意味で使用されている地方が多いようです。
典型的関西方言、との紹介もあるようです。
飛騨方言・わらかす、には、実は笑わせるという意味は全く無く、専ら、割ってしまう、という意味で用いられます。
飛騨方言では、わ(割)る、という共通語と同じ意味の他動詞もあり、割る、と、割らかす、の二つの他動詞を区別します。
目的を持って意図どおりに割る事を、例えばまきをわる、といいい、言い換えれば、いい意味で使用します。
一方、意図どおりでなく、悪い意味で用いる場合には、例えば花瓶をおといでわらかす(=落として割ってしまう)、
といい、共通語の文字通り、割る事をしでかす、割る事をやらかす、という意味で用います。
他動詞の未然形に、助詞・かす、を用いる言い回しは、古語にも多くあり、また全国の方言としてネット情報が多く、
重要な点は、(1)ほとんど全ての他動詞で活用可能で、(2)一般的には意図せずその行為を行う場合に、
言い換えれば一般的にはいわゆる悪い意味で、用いられる事です。
共通語・しでかす、と共通語・する、の意味を考えれば理解は容易でしょう。
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