大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

めんばわらし・飛騨方言

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方言も廃れつつありますが、郷土史などを渉猟しますとかつて 使われていた飛騨方言がワンサカ記載されており、 本当に話題は尽きません。久々野町の言葉に、 えだしゃくとりの事をめんばわらし、と紹介されていました。

飛騨方言ですが、これはもう面罵童子の漢字を あてるしかない言葉でしょう。 面罵とは、人の面前で罵倒する事ですね。 面罵罵倒ともいいます。 童子ですが、座敷わらし、などといいますので 子供の妖怪という意味できまりです。 つまりは子供が、あれこれ言いたい事を いって手のつけられないような状態を言うのでしょう。 このしぐさは相手に面と向かい、顎を突き出し、 に当然なりましょう。話変わって大リーグで 審判員の判定にカッと来た監督が、審判員 ににじり寄り思いっきり言いまくっている 姿は、めんばかんとく、と表現したらいいのかも 知れません。

つまりは、顎を突き出し、前に出した顔を上下に 振り続けるのです。その動作が尺取虫のそれに 似ているからなのでしょうね。 蛇足ながら、尺取虫の語源は、ピコピコと動く一回の 移動距離が一尺、約三十センチ、という意味で、 随分と大げさな表現です。

おまけですが、久々野町に八尺川という名の小川が あります。つまりたった240センチの川です。 久々野町は材木の町ですが、材木の長さは 九尺です。その材木の長さにすら足りないような 非常に短い川、という意味で名づけられたのです。 実際には四キロほどの川でしょうね。 でもたったそれだけの長さでは川としてはあまりにも情け無いが そこをユーモアで表現したのでした。 しゃみしゃっきり。

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