飛騨高山 クア・アルプがヒットしました。
飛騨、温泉、などをキーワードに検索しますと必然的にヒットするサイトです。
楽しい旅行の思い出など、日記帳のもの、ブログ、等々のネット発信が
ありますので、生きた言葉というわけです。
飛騨以外の方に実はよく知られている飛騨方言という意味あいがあります。
さてせっかくですからこの固有名詞についてもお書きしましょう。
同サイトを見ますとその綴りは Kur-Alp となっています、なるほど。
がしかしちょっと待ってください。
アルプ (-Alp)についてはどなたも北アルプスを連想なさるでしょう。
それはそれでよいのです。では何故、ヨーロッパアルプスの事を Alps と
綴るのか、という事を考えて見ますと、という事ですぐにネット検索してみました。
define Alps とキーワード入力しますと、途端に Wikipedia の情報に当たります。
ただし英語です。
簡単にいいますと、アルプスという言葉はラテン語の白い(albus)という形容詞が語源です。
白い山々だから albus です。
ですから Alps はひょっとして名詞で複数だろうから単数はAlp かしら、
と考える事自体が間違いである事に皆様も気がつかれましょう。
どうですか高山市殿、他にお考えがあっての命名ですか。
蛇足ですが、形容詞(albus)は
男性・中性の名詞にかかる言葉です。
ラテン語では山が男性格である事もお分かりでしょう。
ちなみに女性格の名詞にかかる白いという形容詞は alba になります。
人体の部分でお腹に縦に白い線、すじが
ありますが解剖学用語で(例え男性のお腹であっても、ふふ) Linea alba というのです。
そしてクア(Kur-)の部分ですが、ドイツ語辞書にあります Kur(=治療)の転、という事でしょう。
またちなみにクア施設という言葉は既に日本語となりつつりますし、ネット情報が
多いのですが、今度はキーワードを"クアとは"として検索しますと、
たちまちに幾つかのサイトがヒットします。
それらのサイトの多くがドイツ語・クア(Kur)とは英語のケア(care、世話)を意味し、
うんぬんと記載していらっしゃる事に私・佐七はひとり心を痛めます(サイトの名前は伏せておきましょう)。
これらの記載は明らかな間違いです。
ドイツ語・クア(Kur)は英語のキュア(cure、治癒)に相当する単語です。
care と cure では大違い、全く別の単語であることはいわずもがな。
結論ですがクア・アルプの語義を考えるとドイツ語とラテン語のチャンポン、しかも
ラテン語の形容詞を名詞と勘違いしてしまった造語だったのでした。
そして意味は、"白い癒し??"のようです。
温泉なら、ぬくとい癒しのほうがいいのにね。
しゃみしゃっきり。
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