大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

いちばんつつじ・飛騨方言

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共通語・こばのみつばつつじ(小葉の三葉躑躅)Rhododendron reticulatum は 飛騨方言で、いちばんつつじ、と言い、 "高山市の花"に指定されたのが昭和47年12月25日です。 また同日に"高山市の木"として「いちい」も指定されました。 前者の学名ですが、Latin, oleander, from Greek : rhodo-, rhodo- + dendron, tree.、 が由来、reticulatum は網目状のという形容詞。 文字通りに和訳しますと、網目状のバラの木、ですね。ふふふ。

さて、いちばんつつじ、という言葉ですが飛騨の俚言でしょうか。 ネット検索しますと、高山市の花の頁がヒットするのはよいとしても、 "やはりつつじが一番!"などという情報も相当ヒットしますので 実はお手上げです。インターネットは万能ならず。 ただちに作戦変更、日本植物方言集成・八坂書房、によりますとコバノミツバツツジの 方言は山口県圧狭では、あえら、あえらぎ、と言うとか。 実は埼玉の秩父でも飛騨と同様に、いちばんつつじ、と言うようです。

とにもかくにも珍しい名前という事は判りましたが、 果たして埼玉の秩父と飛騨地方になんらかの国語学史的な関係が あるのでしょうか。否ですね。 強いて言えば同じ語意識が働いたという事であり、偶然の一致です。

そしてその語意識が問題なのでしょうが、 かってな想像ながら、 (1)一番にあでやかである、 (2)一番にしおらしい、 等々ぞっこん惚れこんでしまうとどうしてもこれ以外の 言葉は考えられない、という事なのでしょう。 つまりは、ブラボー・イチバンツツジ、 気取って話すときは意味不明の外国語に限るし、 例え方言とは言え学術語らしく記載したければ やはりここは片仮名で。 しゃみしゃっきり。

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