大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

方言に残る古語・広島方言に関連して

戻る

今も暇に任せてネット検索をしていますが、http://ww4.tiki.ne.jp/~rockcat/kougi/hougen5.html 方言に残る古語 の記事が目に留まりました。 広島でいえば「よー 〜せん」という言い方は 不可能を表す表現で、平安時代の「え 〜打消」という不可能表現、という 記載に思わず絶句、考え込んでしまいました。然も講義。

飛騨方言でも例えば、よう話せん(=とても話せません)、などの 慣用表現がありますのですが、 同用法において飛騨方言と広島方言に根本的な違いがあるのでしょうか。 また例えば関西方言ではとてもとても言えません、という意味で、よういわんわ、と いうのではないでしょうか。

つまりは言うまでも無く、よう〜という部分は関西方言も飛騨方言も副詞・よく、のウ音便です。 副詞・よく、は広辞苑によりますと、しにくい事を敢えてしたり、或ることはできないものなのに、 なかなかそううまくはいかないものなのに、よくぞまあ、という意味であるとの記載でした。 また、副詞・よくの語源は形容詞・ヨシの連用形です。 一方において古語・え、は、う( 得、他動詞下二 )の連用形・え、が語源でしょう。

さらにまたひとつには「え 〜ず」から「よー 〜せん」に語が変化したにせよ、 相当のギャップというものを感じます。 一方、古語辞典を紐解けば、形容詞・ヨシも既に日本最古(?)の小説・竹取物語にすら 出て来る形容詞じゃありませんか。 飛騨方言に限ってはどう転んでも、「よー 〜せん」という言い方はよもや 平安時代の「え 〜打消」という不可能表現が転じた可能性は薄いでしょう。

くれぐれも誤解の無い事だけを祈ります。 小生は特定サイトの記事について陰口をたたいているわけではありません。 もとよりインターネット記事というものは広く世界の人々に開かれているもの、 まさに公開情報、公開討論の場でしょう。 私が同記事筆者宛てに私信で問い合わせてそれでよしとするならば それこそ陰でコソコソと何かをしたという事にならないでしょうか。

ページ先頭に戻る