表題の議論を始める前に聞きなれない言葉・ブランドマントラについてお書きしましょう。
"ブランド"という言葉については書くまでもないでしょう、有名とか一流という事ですね。
そしてマントラですが、インド哲学の言葉で真言・呪文等の意味の言葉です。
つまり聞いただけで魂に訴えるものがある、生きた言葉というような意味ですね。
ですからブランドマントラとは聞いただけで有名とか一流の感じがして魂に訴えるものが
ある言葉、というような意味になりましょう。
となれば飛騨のブランドマントラがぞろぞろ出てきます。
例えば、松阪牛(まつさかぎゅう)・和田金(わだきん)、という
知る人ぞ知る高級レストランですが、この言葉はあるイメージを持っています。
ともに飛騨生まれの飛騨育ちの私の両親が、
"なんやって! 佐七、わりゃえんがよ? そんな高級そうなどこで
昼飯おごってくれるって。"
と言ったか言わなかったかは別として、三重県へ一度も行ったことがなく従って、
わだきん、という店がある事すら知らない佐七の両親のような日本人が、
"まつさかぎゅう"の"わだきん"という言葉から、なんともはや高級レストラン、という
イメージが涌いてしまうというものです。ブランドマントラの一例と言えましょう。
さて私の家内ですが、丑年生まれではありませんが根っからのステーキ好きです。
そして私とドライブしていながらの昼食時、例えば
飛騨牛ステーキ専門店
という看板が彼女の目に留まるや、
"止まって!バックして!!お昼はあそこよ!!!"
ってなわけで、言葉の呪文に簡単にかかってしまうとてもかわいい女房なんですね。
呪文ですから従うしかありません。今日のお昼はバックしてそのレストランです。
そして昼食の話題は飛騨牛だからさすがにうまいとか、
飛騨牛専門店なのに今日の店はあまり美味しくないとか夫婦の会話がありますが、
本当の所は自分の生い立ちを考えてしまいつい思ってしまう、
いったい"飛騨牛"っていう言葉がなんぼのものですか。
(・・ おりゃ子供のときなんか、いっぺんも牛肉たべれなんだぞ。
アメリカ人みたいにステーキみてえな"おおごっつぉ"
食いたいっていっつも思っとったんや!!・・)
ところで賢明な読者の方は既にお気づきですね。
飛騨が話題にはなっていても実は飛騨方言の話題ではありません。
全くその逆、共通語としての話題そのものです。
そこを当方言サイトでは敢えて議論します ( .. Sashichi will discuss this matter anyway, whether it be a dialect or not )。
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