大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 

5年生国語「たずねびと」

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私:今、初等中等教育に方言が入り込んでいるんだね。先ほど発見した情報、光村図書出版・小5国語「たずねびと」。
君:朽木 祥(くつきしょう)、広島市生まれ、被爆二世、児童文学者ね。
私:そのようだ。広島方言が出てくるようだね。広島県で採用されるのは当然として、実は岐阜県でも採用されたようだ。

君:確かに「えらい(疲れる)」は岐阜県の方言というより、ギア方言(岐阜・愛知)なのよね。
私:そう。飛騨方言でもよく使う。でーれーれーんやさぁ。
君:?
私:つまりは、どえらく・えらい・んやさ。これが、どえらいえらいんやさ。更に訛って、でーれーれー。
君:「どえらい」、つまりは終止形という事は・・。
私:ははは、からかわないでくれ。連体形だよね。どえらい事えらいんやさ。
君:ええ、そうよ。「〜ほどに」でもいいわね。
私:「どーらーちーんやさ」もある。
君:「どえらい暑いんやさ」が訛ったのね。
私:「たずねびと」に戻ろう。別の動画がある。

君:何でもネットの時代ね。
私:文部科学省五年生指導資料集が公開されていて、「たずねびと」は32番の題材、127頁、に出てくる。
君:ご苦労様。
私:指導資料というものは好かないな。授業というのは自由のほうがいいというか。教師と学生の一期一会、これが大切。心に響く恩師の講義は今でも覚えている。大学でホンの一時期、講義をしたが好きな話に終始した。看護学校の教師は三十年近いキャリアだが、これも教科書を無視して好きな事を講義した。でも学生には慕われていたと思う。
君:ほほほ、つまりあなたは小学校の児童相手ではジンマシンが出てくるのでしょ。
私:そう、僕はガリレオ。小児科は苦手だ。僕の好きなのは放射線医学と薬力学 radiopharmaceutical and pharmacokinetics。つまりは数式の医学。

君:それと方言について理屈をこねまわす事ね。
私:最初の動画に出てくる「方言部分を抜き出してみよう」という設問が気になる。岐阜県の児童が安芸方言を知って何になるというのだろう。
君:ほほほ、消去法でいきなさい、という事よ。共通語にマッチしていない部分が安芸方言。
私:そう言う事だね。折角だからお浚いしておこう。ウは円唇母音、サ行音がハ行音化「ホーネ(そうね)」セ・ゼがシェ・ジェ「シェンシェー先生」、東京式アクセント、否定は「行かん」、動詞過去形は音便化(コータ買った、ナローダ並んだ、トーダ飛んだ)、尊敬は「行きんさる」、助詞のカラ・カラニ(雨が降るのにカラ中止、暑くてカラニ困る)、問い掛けのナラ(イツイクンナラ・いつ行くんだい)。ふう
君:俄か勉強も大変ね。ほほほ

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