江戸言葉に京言葉の方言東西対立がある位ですから、
生活全般に実は東西対立があるのですね。
卑近な例が食生活でしょう。
料亭料理のお話ではなく、毎日の食卓が今日の話題、
カレーライスを選びました。
方言サイトゆえ言葉の話に限定します。
実はカレーライスの方言量はゼロ、つまり方言はありません。
あるのは共通語カレーライスだけ。
ところが明らかな東西対立があり、西ではカレーライスにソースをかけるが、
東ではかけない、という事のようです。
お互いに相手をみてビックリする訳です。東京人は関西人に、
"カレーにソースをかけたらカレーの味が台無しだろ。
気持ちが悪いぜ。そんなのカレーじゃないぜ。"
と言いますし、関西人は東京人に
"カレーにソースかけへんと味がひきたたんとちゃう。
ソースの無いカレーこそアホやんか。あんたはんこそカレーやない。"
と言い返す訳です。
お分かりですね、お二人とも違ったものをお召しなのですから共通語カレーライスを
使うからこそ口喧嘩になるのです。
ただしお二人とも自分のものこそカレーライス(つまり共通語)という妙な自負がありますので、
相手に
( あなたが今お食べの不思議なカレーを別の言葉、つまり方言で言いなさい )
と強要しているのではありませんか。
東京人が僕のカレーなんかアマっ子カレーだぜ、と言えば関西人は納得。
関西人がわてのカレーなんかゲテモンカレーやさかい、と言えば東京人は納得。
野瀬康申、全日本食の方言地図、日本経済新聞社、に
カレーにソースの事がホンの少しですが触れられています。
実はテンプラもソースで、というのが関西だそうで。
そう言えば筆者の家も昔、カレーにジャバジャバと
ソースをかけていました。すっかり忘れていました。
飛騨は糸魚川浜名湖方言境界線の西だから西日本カレー文化かも、と妙に納得します。
昨日は昼食はカレーと決め込み、実に四十年ぶりに
ソースをかけました。
懐かしい味に思わず感激、やっぱなあカレーにゃソースをかけんにゃだしかんぞ。
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