大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 題して佐七のブログ 

2006/12/28 食の方言・大阪のカレーライス

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江戸言葉に京言葉の方言東西対立がある位ですから、 生活全般に実は東西対立があるのですね。 卑近な例が食生活でしょう。 料亭料理のお話ではなく、毎日の食卓が今日の話題、 カレーライスを選びました。 方言サイトゆえ言葉の話に限定します。

実はカレーライスの方言量はゼロ、つまり方言はありません。 あるのは共通語カレーライスだけ。 ところが明らかな東西対立があり、西ではカレーライスにソースをかけるが、 東ではかけない、という事のようです。

お互いに相手をみてビックリする訳です。東京人は関西人に、
"カレーにソースをかけたらカレーの味が台無しだろ。 気持ちが悪いぜ。そんなのカレーじゃないぜ。"
と言いますし、関西人は東京人に
"カレーにソースかけへんと味がひきたたんとちゃう。 ソースの無いカレーこそアホやんか。あんたはんこそカレーやない。"
と言い返す訳です。 お分かりですね、お二人とも違ったものをお召しなのですから共通語カレーライスを 使うからこそ口喧嘩になるのです。 ただしお二人とも自分のものこそカレーライス(つまり共通語)という妙な自負がありますので、 相手に
( あなたが今お食べの不思議なカレーを別の言葉、つまり方言で言いなさい )
と強要しているのではありませんか。 東京人が僕のカレーなんかアマっ子カレーだぜ、と言えば関西人は納得。 関西人がわてのカレーなんかゲテモンカレーやさかい、と言えば東京人は納得。

野瀬康申、全日本食の方言地図、日本経済新聞社、に カレーにソースの事がホンの少しですが触れられています。 実はテンプラもソースで、というのが関西だそうで。 そう言えば筆者の家も昔、カレーにジャバジャバと ソースをかけていました。すっかり忘れていました。 飛騨は糸魚川浜名湖方言境界線の西だから西日本カレー文化かも、と妙に納得します。 昨日は昼食はカレーと決め込み、実に四十年ぶりに ソースをかけました。 懐かしい味に思わず感激、やっぱなあカレーにゃソースをかけんにゃだしかんぞ。

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