大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

幻の方言東西境界線

戻る

昨日(2006.2.21)の中日新聞に連載記事真ん中の宿命「境界線地帯」があり、かつて当サイトにご寄稿くださった大垣市出身で在野の方言研究家、杉崎好洋氏の言もあり。知る人ぞ知る方なのですね、御見逸れしました。尚、お示しするのはリンク画像です。当サイトに肖像権はありません。★杉崎氏はご自身の運営サイトで東西方言の対立からみた大垣方言の記事において、大垣が方言の東西境界線上にある事を詳述しておられました。ふむふむ、なるほど。さて、方言+東西境界線をキーワードに検索しますと幾つかヒットします。★そのひとつが日本語学会新刊案内・大西拓一郎著「方言の東西境界と富山」です。★あるいはまた、馬瀬良雄 さん・信州大学名誉教授を紹介した・故郷日本の言葉(NHK)長野編というネット記事がありました。

さて三氏三様に大垣・富山・信州が東西境界線であると主張しておみえです。がしかし私はそう考えません。当記事にありますリンク画像に示される通りです。東西境界線など実は存在しません。境界帯は存在します。それは右記画像のごとく岐阜県全域と愛知県の尾張地方です。同エリアより東は東京方面、西は大阪方面です。つまりは私はただ冷静に数学の集合論に基づいたベン図の見方をお話ししているだけの事です。

大西さんと馬瀬さんに敬意を払って、確かに富山・長野両県境に東西境界線が一部だけ存在しましょう。つまりはAとBが排反 ⇔ A∩B=空、の部位・立山連峰の稜線ですね。立山は明治時代まで前人未到の地、地図の作成さえ出来なかった地域です。つまり人は住んでいなかった(勿論、今も)、だから境界線になってしまうのです。なんと単純明快な佐七の説明でしょう。馬瀬先生どうでしょうか。立山連峰はいざ知らず、信州へのぶり街道の飛騨高根村方言の説明ではいささか迫力に欠けます。私は寧ろ高根村は信州方言の飛騨への流入口と考えます。

ところで私は飛騨方言ですから例えば、視野がひろうなる・変わり者じゃ・偏屈や・銭をはらった、と話します。つまりは飛騨方言は紛れも無く、純粋な西の地域でもなく(∴はらった領域)、かつ、純粋な東でもない地域(∴ひろうなる領域∩〜じゃ領域∩〜や領域)の言葉(i.e., 飛騨=東∩西)です。なんと単純明快な佐七の説明でしょう。

さらに飛騨地方といえばその何とど真ん中を分水嶺が東西に通っており表日本と裏日本にまたがる地域です(i.e., 飛騨=表日本∩裏日本)。ですから、実は飛騨方言こそが東西南北どちらを見ても
日本のど真ん中の言語(∵東∩西∩南∩北)、∴日本のへそ
である、と佐七は断固として主張いたします。つまりは飛騨方言を知ると全国の方言がわかる(それは幾らなんでも大げさかな)、富山方言と大垣方言は実は西側の方言であり、信州方言は実は東側の方言なのでしょう。尾張方言が表日本の方言であり、富山方言が裏日本の方言である事は書かずもがな。

ページ先頭に戻る