大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

はくらん(熱中症)

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私:表題だが、どう思う?
君:今は夏、まだまだ暑いわね。あまり聞いた事の無い言葉ね。
私:祖母がよく使っていた。純粋なる飛騨方言であるのみならず、全国共通方言だ。
君:という事は古語ね。
私:そう。近世語だよ。日葡辞書には Facuran の記載がある。
君:あら、京言葉?
私:そう。江戸語といってもいいかな。鬼の霍乱(かくらん)、これが語源だ。いつもは元気な人が夏にぐったりする事。江戸で、かくらん、上方で音韻変化して、はくらん、といった所だな。小学館日本方言大辞典には、はくらみ(富山)、はくら(岩手)の音韻の記載もあった。
君:太陽が原因なのに鬼の仕業とするところが面白いという訳ね。
私:同様の表現としては、青菜に塩、青天の霹靂、とか。
君:「かく霍」は、にわか、はやい、すみやか、の意味ね。「霍霍」「霍然」。
私:そう。霍(かく)は漢姓の一つ。『百家姓』の160番目の姓である。 wiki から。あれっ、と思ってあの人を検索した。
君:中国人?
私:そう。郭沫若(かくまつじゃく)。戦中戦後の日中史に出てくるお方だな。大学受験は日本史だった。名前は思い出せたが、なんと漢字は違うじゃないか。嗚呼、歳は取りたくないね。
君:仕方ないわよ。
私:自慢じゃないが、日本史の教科書は完全暗記していたんだ。山川出版。
君:古文も好きだし、日本史も好きなのね。
私:嫌いな科目って無かったな。強いて言えば現国。これほど取り留めのない教科も無い。高校三年間を通じて百点を取った事は一度も無い。
君:国語好きは英語好き。vice versa 零点を取った事も無いという意味ね。
私:さてさて、今日のこの記事は何点だろう?
君:七十点といったところね。霍と郭を間違えたので三十点減点よ。ほほほ

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