大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム |
しんびきする |
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最近は書くネタがないとなんとなく心が落ち着かず、人生を無駄に過ごしている感じですが、少しはまともな記事が書けると、ほんのひと時ですが、ホッとした気持ちになれます。新聞の四コマ漫画を描いている気持ちです。気分が乗らないからと言ってコマを空けるわけにはいかないので四コマ漫画家さんも大変なお仕事ですね。当サイト内は既に二千ページを超えていますので、何かふっと思いついても、ハードディスクの原稿を情報検索すると大抵は既に書いてしまった記事、という事で、づまりはサイト管理者が自分のサイトに何を書いたのかすら記憶があやふやで、いつもデスクトップ検索ソフト SAVVY にて確認しています。では、早速に本題。 しんびきする、と言えば、当サイトの辞書では、しんびき > 容器から液がたれ出る事、と紹介しています。亡き祖母が醤油の一升瓶から卓上瓶に小分けする時に、卓上瓶から醤油が垂れ出る時や、あるいは一升瓶から醤油から垂れ出る時に・・ ありゃあ・しんびきしてまって・だしかんな(あら、(醤油が)垂れだして、だめだわね) などと話していた事が思い出されます。ところが先ほど、 GOO 方言辞書というのを発見しまして、北飛騨の方言という箇所に、(ここ)地域 北飛騨 迷う。いっけのあねま、旅行にさそったが、えろーしんびきしておいでる(親戚の嫁さん、旅行に誘ったが、大変迷っていらっしゃる)、という記載を発見してびっくりしました。慌てて書斎に向かい、昭和の飛騨方言一万を記載した土田辞書をみたら、やはり、意味は二つでした。しんびきする、は、したたりおちる、と、転じて、迷う、の二つの意味があったのです。古語辞典いくつか、日葡辞書、言海、これらには、しんびき、の記載はありませんでした。蛇足ながら日葡だと Xinbiki , Ximbiqui, あたりでしょうかね。Xi つまりは、し、を渉猟しましたが記載はありませんでした。やっほう、俚言動詞の発見です。 したたりおちる、が転じて、迷う、という意味になったようですが、賢明な読者様にはお書きするまでもないでしょうがあえて。つまりは醤油の瓶から醤油がちょろちょろと不確定なコースを描いてしたたりおちる事は、つまりは、道に迷って、キョロキョロとコースが定まらない事と同じ動作です。これが転じて、優柔不断で、あれこれ迷う、というような比ゆ的表現が生まれたに違いありません。すかさず、私が大学生の時の流行歌を思い出しました。いやあ、渡辺真知子さん、1956年10月23日 (年齢 63歳)で、筆者の三つ年下です。まだ歌っていらっしゃったのか!!!お若いですね。声も全く変わってないし。今夜は飛騨の俚言動詞再発見並びに昭和歌謡・迷い道の紹介、という、当サイトにとってはビッグな夜でした。 渡辺真知子 - 迷い道 - 1977 |
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