大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

飛騨方言・たあけにする

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私:お久しぶり、お元気ですか。
君:あなた、ひどいわ。今日の表題。
私:いやあ、すまない。センシティブな題だからねえ。別に他意はない。すまぬがつきあってくれ。さて、表題の意味は。
君:たあけ、は田分け、というのは俗の語源で、つまりは学問的には明らかな間違い。正しくは古語動詞の「たはく・戯く」でしょ。これが後代には戯言・たわごと。
私:勿論、そうだね。当サイトでは何度も書いた。さて英語の All works and no play makes Jack a dull boy. これを飛騨方言に訳すと?
君:勉強ばかりで遊ばない事はジャックをたあけにする。
私:ははは、ひっかかった。大学入試では、まずは直訳しなきゃ。勉強ばかりで遊ばない事はジャックをたあけな子にする。これが正解だ。一点に笑い、一点に泣く。次の問題は、飛騨方言を共通語に訳しなさい、という事で。問 たあけは問題をたあけにする。
君:ふふふ、意味がわかりました。たあけにする、とは飛騨方言の熟語で、相手を馬鹿にする・みくだす・あなどる、つまりはたわけとみなす、という意味ね。たわけにさせてしまう、という意味ではないわね。つまりは答 たわけな人は問題をあなどる。
私:そうだね。実は、今、ネット検索してみたら皆無に近かった。この言い回しは本当に希少価値のフレーズじゃないのかい。このような時に僕は本当に孤独を感ずる。私の脳みその記憶領域、ここに実は一つの飛騨方言の熟語が刻まれていた。今日はそんな一熟語を私が再発見した日だったのだが、まだ他にもこのようなご愛嬌の言葉があるのかも知れない。私の肉体が滅ぶという事はこのような言葉が滅ぶという事かな。
君:ふーむ、方言をたあけにしてまってはだめね。文字博物館に陳列しておかないと。
私:うちの子は、大学入試をたあけにしてまった!
君:あらら、捲土重来、初志貫徹ね。あなたの御令嬢様だもの。大丈夫よ。

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