昨晩は文字のみで方言地図を作るお遊びに
興じてしまい、手元にある幾つかの資料で
地図を作ってみました。
そのひとつが
中部地方における、理由を示す接続助詞(順接確定)・で、の分布
です。
出典から明らかな如く、お子様向けの
童話に近いような本なのですが、ネットに出品されていた古本です。
数ヶ月前に偶然に入手しました。
巻末資料が佐藤先生監修の記事であり、
実は方言資料としても超一級資料です。
この助詞の分布がさりげなく
表示してあるものですから、即座にアップロード、
思わずご紹介してしまいました。
歌の文句じゃないけれど、
だからいったじゃないの、というのが東京の言い回しであり、
だでいったじゃないの、の言い回しが名古屋という訳です。
飛騨方言では、じゃでそったながいな、というのですよね。
つまりは方言地図に戻りますが、理由を示す格助詞・から、
は名古屋と飛騨では、で、になってしまうのです。
ここで表題になりますが、やはり名古屋といえば織田信長、
飛騨といえば、・・、です。例文と参りましょう。
共通語 名古屋方言 飛騨方言
だものだから だもんで じゃもんで
だから(昔) だで じゃで
だからね(昔) だでな じゃでな
だから(今) だで やで
だからね(今) だでな やでな
だからさあ(今) だでよう やでよう
単独で語頭
に立てるか 可 不可
語頭に立てる体言 何でも可 何でも可
先行副詞句・そう そうだで そうやで
そう、の短縮 不可 可・そやで
語頭の人物 信長だで 佐七やで
体言止め だで信長 そうやで佐七
体言止め実際例 だもんで信長 そやで佐七
つまりはざあっと、このような事になるのですね。
結論ですが、中部地方における理由を示す格助詞・で、
ですが、飛騨方言は名古屋方言から
しっかりと受け継いでいるのでしょうねえ。
何時の時代でしょうか。
織豊時代かもね。
しゃみしゃっきり。
飛騨人が、そやで、のかわりに、そうだから、
などと言い出したのは勿論、明治になってからでしょう。
おまけ
表題ですが、字余りが続くと、意外にも日本語のセンス
に合うという事でしょうか。 4 X 2 + 3 X 2 = 14 = 7 X 2