大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム |
並立助詞とは |
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私:並立助詞と言えば橋本進吉の橋本文法、という事になるんだね。山田文法には並立助詞の概念が無くて、橋本文法でいうところの並立助詞は副助詞と格助詞の一部を分離させた概念だ。そしてその概念の核心的なものが「並立語」「並列語」という学術語。 君:橋本先生は山田先生の感化を受けたお方だけど、恩師のままではいかぬ、という事で新しい概念をお作りになったのね。 私:まあ、そんなところだね。「並立語」「並列語」といえば、これはもう、説明するまでも無い。 君:例えば主語なら、バナナとリンゴ、修飾語なら、清く正しく美しく。 私:宝塚歌劇だね。文の並列語もある。例えば、花は咲き鳥は歌う。 君:並立助詞の数は少なく、口語では「と、や、に、やら、だの」が名詞の身に付き、「か、なり、とか」が名詞にも述語にも付くわね。 私:述語にのみ付く並立助詞で「たり」があって、これは必ず「する」の係り結びになる。例えば、書いたり読んだりする。 君:古語はどうかしら。 私:格助詞と呼ばれるもの三つ「と・に・の」と副助詞と呼ばれるもの四つ「か・なら・や・やら」、つまり合計七つだね。少ない。 君:殊更に並立助詞と呼ばなくても良いという事で学校文法では無視ね。 私:戦前戦後あたりに中等文法、所謂、学校文法が出来た。指導的立場にあったのが東京帝大教授の橋本進吉。つまりは学校文法は橋本文法といってもいいが、高弟の岩淵悦太郎が実際は執筆していた。突然に恩師・橋本進吉が有らぬ事か病没、1945年1月30日(享年62歳)。早すぎる。いやあ、橋本先生、日本を代表してお若かったのに。戦後に無念極まりない岩淵ひとりがやけのやんぱちで学校文法を作った。ええい並立助詞は無しだ、良い子の学校文法にこんなものは要らん、ゴメンネ・星になられた橋本先生、という事だったのかな。つまり歴史秘話。 君:並立助詞的には、橋本と岩淵、戦前と戦後、という事ね。真相は闇の中。 |
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