この頁は中部方言における南北問題がテーマです。
方言の書から富山方言の特徴といわれるものを抜書きし、
飛騨方言とあっているかを検証しました。
結論としては相当に異なっているという事ですね。
飛騨にとって富山とは距離が近くて言葉が遠い、どちらかというと西の国と言う事になります。
逆に美濃は距離が遠くて言葉が近い、どちらかというと東の国と言えましょう。
江戸時代までは言葉の伝わる速度は百年でおよそ百km也。
高山・富山間は70km、高山・名古屋間は150km、言葉の影響というのは多少の距離の差はあんまし関係ないんやさなあ。
飛騨 富山
カ行子音・・・・少ない 多い
ガ行子音・・・・高根 五箇山
語頭くぁ・・・・無し 有り
しぇ・じぇ・・・北飛騨 全県
一つ仮名・・・・無し 有り いわゆるズーズー弁
アクセント・・・東京式 京阪式
促音・・・・・・普通 短め
長音・・・・・・普通 短め
撥音・・・・・・普通 短め
い・え区別・・・有り 無し 中間音を使用
語頭の撥音・・・無し 有り みえる=んめる
語頭の促音・・・無し 有り 塩=っしょ、消える=っける
イ段の母音
の無声化・・・無し 有り 割り木= warik 足= as
ウ段の母音
の無声化・・・無し 有り
語末の撥音・・・無し 有り ギ、グ、ニ、ヌ、ミ、ム
(鍵、蟹、紙)=かん
二拍名詞
のアクセント・平定頭高 独特
ゆすり音調・・・無し 有り
過去形の
サ行イ音便・・有り 有り 落とした=オトイタ
ウ音便・・・・無し 有り 飲んだ=ノーダ
推量ろ・・・・・有り 独特 寝るだろう=ネロー
準体詞の・・・・のや が "どうしたが"
接続詞から・・・やで 多彩 "さかい、のって、けで!等
断定辞だ・・・・や、じゃ だ、でぁ