大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 

御岳信仰

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私:飛弾に生まれ育った僕でも果たしてどれほど郷土について知っているのか、いや、何も知らないといったほうがいいかな。
君:乗鞍・御岳・白山と言えば山岳信仰の山だわね。
私:今日は三月の日曜日、天気が良かったので神岡まで笠ヶ岳を拝みに行ってきたよ。
君:オートバイね。寒くなかった?
私:全然。要は衣装。ヒートテックの重ね着。グリップヒーターもあるし。道路に雪さえなければ何ら問題ない。冬のツーリングは慣れている。
君:笠ヶ岳はどうだった。
私:なにせ岐阜県内の最高峰だからね。円空上人が初登頂し開山らしいが、あまり山岳信仰の山にはなっていないね。一部の登山マニアの山だろう。それでも山は今日も頂上は真っ白、空は真っ青、神々しいの一言に尽きるね。神岡カントリーロードの杉越トンネルを出てすぐ、神岡町吉田辺り、つまりは神岡町小萱(こかや)の直前がベストビューなんだよ。小萱に至ると笠ヶ岳の左が隠れてしまう。

君:常蓮寺の場所ね。
私:そう、心が洗われる気持ちだった。神岡で一番に好きな場所だ。次は大津神社かな。勿論、お参りして来た。
君:今日は御岳信仰のお話だわよ。
私:そうだね。実は神岡町を後にして古川町の平野に着き、目指せ高山市、そこで目の前に現れた光景にまたビックリ。
君:まさか、御岳が見えたのね。
私:見えたなんてもんじゃない。全貌が丸見え。台形の山。メサのようにも見えるが勿論、違う。火山の連峰という事だね。然も活火山。今日の御岳も真っ青な空を背景に真っ白な雪を頂き、神々しいばかりだった、乗鞍より遠くにある山なのに乗鞍より大きく見えたのも大発見だった。高山に近づくにつれて御岳は近くの山にどんどん隠れていき、やがて見えなくなる。そして高山盆地に達すると今度は乗鞍の全貌が見えてくる。
君:あなたは高山同様にベストアングルで乗鞍がばっちり見える村に生まれ育ち乗鞍には愛着を感ずるけれど、御岳は近いが故にご自宅からは全然、見えないのよね。
私:その通り。灯台下暗し、大西村からは御岳は全く見えない。僕が御岳の地勢について知り出したのはオートバイで飛騨中の道路を走ってからの事、つまりは社会人になってから。
君:古川から見た御岳は?
私:今回が生まれて初めてだ。学生時代はマイカーでスキーの日帰りで数河(すごう)にも行ったが、雪か曇りの日ばかりだった。奥飛騨は夏によく訪れるが、帰り道の古川で雪を頂かない御岳に今まで一度も気づかなかったとは。目の前に見える以上、古川辺りでも御岳信仰は盛んなのだろうかね。
君:御岳信仰は富士山信仰を凌ぐ全国ブランドよ。

私:その通り。御岳の中腹の田ノ原までは大型バスが登れる。田ノ原には立派な社務所がある。他県ナンバーの大型バスをよく見かける。日本一の信仰の山と言ってもいいね。
君:田ノ原への登り口は長野県大滝村ね。
私:そうなんだよ。御岳と言えば木曽というイメージが強い。事実、観光バスは大滝村から田ノ原を目指すしかない。昨年に下呂温泉に宿泊した時だが、旅館の番頭さんが・・昔はマイカーのお客様で下呂からの御岳登山も盛んで、御岳と言えば下呂の裏山・オラが山なんですけどね・・とポツンとおっしゃっていた。
君:下呂からも、萩原からも、小坂ですら御岳は見えないわね。
私:〒509-3111 岐阜県下呂市小坂町落合濁河の大平展望台までマイカーで走らないと御岳は見えない。
君:でも大平展望台に行きさえすれば目を見張るような御岳の全貌を拝む事が出来るのよね。
私:その通り。日本一のマグマの谷も。でも一番にお手軽な、つまりは平地からの御岳の眺めは飛騨市の古川だという事に気づいてしまった。
君:今度、ご家族で古川へいらっしゃったら得意満面に御岳の眺めをお披露目しなさいよ。
私:家内はそっけない。山なんて一緒よ、が口癖だ。僕の本名に山の字が付くだけに考えすぎて落ち込んだ事があったが、後日、他意がない事を知って、実は夫婦仲は良い。ところで一点、富士山と違って、御岳には、例の地名がないんだよね。
君:何、地名って。
私:本州に数多いおらが富士見峠、おらが富士見が丘、富士見台、富士見坂、等々。ところで御岳の中腹の道路からはるか遠くに富士山が見えるんだよ。
君:御岳にちなむ地名が無いのはオーラではなくモーラが災いしてるわね。2モーラの富士にはネーミングの神様がいらっしゃったけど、4モーラの御岳にはいらっしゃらなかったようね。ほほほ

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