大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム |
飛騨方言・がけす |
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私:あなたは女性だから、野山を駆け巡ったなんて思い出はないだろうね。 君:という事は、あなたは商店街を駆け巡った事はなかったのかも。 私:ははは、からかって。ところでね、岩山の事を飛騨方言で「がけす」と言うんだ。つい先ほど知った。これにはびっくりした。 君:えっ、あなたはガケスに登らなかった温室育ちだったの? 私:そうじゃない。大西村では岩山の事を「がけど」と言うんだよ。あわてて、荒垣辞書、土田辞書、その他資料をみたら「がけす」が記載されている。つまりは私には新知識だ。「がけど」は実は大西村の俚言の可能性がある。思わず興奮してしまった。 君:なるほど、それは面白いわね。古語辞典に「がけど」があれば、あなたは気絶するわね。 私:ははは、からかって。でも、その方面も面白いよ。実は、・・古語辞典には「がけ」すら無い。同意語で記載されているのは、あず・きし・そは・そば・ほき・そばづたひ・あらそは・あらそば・かたきし・きりぎし・かたやまぎし・いはがき・いはかべ、だ。がけ、が出てくるのは明治の国語辞典・言海。どうだい、興奮するだろう。 君:つまりは近代の言葉ね。古今の歌枕には、がけ、は無い。 私:まあそんな所だね。ずばり佐七節だが、音韻が一番に近いという事で、飛騨方言・がけす、の語源はきりぎし、ではないかと直感する。 君:なるほどねえ。ついでに大西村俚言・がけど、の語源についても佐七節があるんでしょ。 私:勿論。That's what I wanted to ask you. どうしてだと思う。 君:さあ、私は・・・女の子なので。 私:ははは、からかって。答えは、僕ら・男の子がかってに名づけた。子供のお遊びの言葉は方言量が多い、という事は方言学の常識。だって、そんなところで遊んだのは、僕たち男の子しかいなかったんだもーん。 君:なるほど、名解答ね。 |
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