大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 

どうのそらの話

戻る

"そら"という語を方言として紹介してお見えのサイトは実に多く、ネット検索では二万件近くある中、 "それは" という意味、あるいは、"そらごと・うそ" などの意味の紹介が多いように思います。

飛騨方言"そら"には、勿論、"それは" という意味はありますが、"うそ" という意味はありません。 そしてもうひとつ飛騨方言には、上流ないし現在地より高い地面という意味があります。 つまりは、以下の飛騨方言ですが、
そらからだいぶ水が流れてきよる。やっぱ、今日の雨ぁそらでゃあどしゃぶり降りやな。
これは、現在地の雨がひどくてまるでたらいの水をひっくり返したようだと言っているのでは ありません。いつもに比し流れが激しい目の前の川を見て、上流からだいぶ水が流れてくる、 やはり、今日の雨は上流域ではどしゃ降りですね、という意味なのです。また、
学校のそらの裏山、昼休みに、よう(=よく)抜け出してったなあ。懐かしいさ。
という会話ですが、もとより学校の屋上の上の空に裏山があるわけではありません。 学校の裏庭の続きに裏山が隣接し、裏山が学校敷地の水平レベルよりかなり高い事を 示して、学校より高い所に裏山がある、と言っているのです。

この飛騨方言"そら"の漢字表記ですが、空では間違いで、上と書きます。 という事で、旧大野郡久々野町にお堂が山のふもとにありましたが、 そのお堂の"そら"に縄文遺跡が戦後みつかり、 堂之上(どうのそら)遺跡 と命名されています。

ページ先頭に戻る