大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 飛騨方言文法

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今、2008年ですが、実は昨年にテレビでアニメ大作・ミヨリの森、が 放映されました。当サイトの、炎のリンク>芸術>アニメ>ミヨリの森 をご参考までに。場所の設定は白川郷のようでして、いくつかの飛騨方言の台詞に、あっ、と 歓声のあがったご家庭もあったでしょう。 筆者は残念ながら観る機会を逸しましたが、最近、DVDが出版されましたので 観ようか迷っている所です。第一人称の事を、おい、と言って明らかに飛騨方言とは 異なる台詞があるそうですから、つい筆者は、これは飛騨方言のDVDアニメではない、 と結論付けてしまいそうで、どうしても躊躇するのです。

もう一点は肝心のタイトルです。お生まれも育ちも旧高山市街の方にはあまりピンと 来ない事なのでしょうが、あえて。飛騨の村々で、森・もり、といえば普通は 鎮守の森を示すのではないでしょうか。 森に遊びに行く、森で待ち合わせよう、こんな言葉が日常であった筆者の幼い時の思い出。 飛騨は99パーセントが森林で、山また山ですが、猫のひたいのような山間の平地の片隅に 昼尚暗くうっそうと巨木が茂る場所が森です。つまりは神社。 ねえ、ですから懐かしさがこみあげてきますでしょ。

ですから、筆者には、ミヨリの森、という表題がひっかかるのです。 やはりここはひとつ、ミヨリの山、でなくてはいけません。

ところで国語の問題になりますが、森と林の違いはなんでしょう。 共通点は、木々の生い茂る所、ですが、林の場合は比ゆ的に多くの物事が集合している所、 つまりは、言葉の林、などの意味があり、一方、森の場合は、鎮守の森、つまりは神社を囲む木々、 の意味があるのです。

また、針葉樹林・林立とは言うものの、樹森・森立、という言葉はなく、 つまりは林は癒合語、結合語の前行名詞にも後行名詞にもなりますが、 森は不可です。森林のみが例外の言葉という事なのでしょう。 せっかくなので佐七得意の飛騨方言訳を
森へ行きましょう 娘さん (アハハ)
鳥が鳴く (アハハ) あの森へ (ラララララ)
僕らは木を切る 君たちは (アハハ)
草刈りの (アハハ) 仕事しに

森へいかんかいな びいどもよ(アハハ)
鳥ゃあ鳴く (アハハ) あの森へ (ラララララ)
おりだちゃ木ぃ切る わりだちゃあ (アハハ)
草刈りの (アハハ) 仕事しに
もっとも、これはヨーロッパの森の話ですから、飛騨の森とは異なり、 これもいわゆる、明らかなミスコンセプト。

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