多湖輝氏の同名の書を読みました(知的生きかた文庫)。
気の向くまま、重要点を抜書きしましょう。
- 君なら?といって相手に答えを言わせるとよい。
- やれ、というな。やろう、と言う事。
- 頼む事はまずは小さい事を。大きい事を頼むと拒否される。
- 拒否されたら、理屈の下に隠れている相手の真の感情に訴えよ。
- 相手の自尊心を満足させる言葉を使う事。
- なるほど、と言って必ず相手の主張をまずは納得する事。
- 相手のあつかましい要求をこちらが先に提示すると相手はひっこめる。
- 相手にぶつけられない事は、人間は〜、等の一般論にすりかえよ。
- 反応が全く無い相手には、むしろ相手がムッとする質問をしてもよし。
- 錯覚しやすい美辞麗句で、まずは相手をなごませる。
等々書かれていますが、最初のほんの数十ページをご紹介しました。
これ以上のご紹介は著作権の事もあり。
さて、多湖氏は真面目に心理学を学問的に説いておられます。
同書は、放送禁止用語・すけこまし、の指南書ではありません。
またそういえばここは方言サイトですから、飛騨方言ライクと
参りましょう。
- わりならどうするよ?といって相手に答えを言わせるとよい。
- やれよ、というな。やらまいが、と言う事。
- 頼む事はまずは小さい事を。大きい事を頼むと拒否される。
(奥さんに)
方言の勉強したいで方言辞典を書いたいんじゃが、
とまずは頼む事ですね。いきなり、
柳田國男全集全二十巻を買って読まんと方言の勉強にならんのやさあ、
などと切り出しては駄目ですね。
- 拒否されたら、理屈の下に隠れている相手の真の感情に訴えよ。
(本を買っても積読するだけの佐七だろうと踏む奥さんに)
この広辞苑をみてくりょ。ほりゃ手垢でまみれとるろ。
こやって今まで広辞苑を一生懸命引いて、方言の勉強をしとったんやさ。
- 相手の自尊心を満足させる言葉を使う事。(家計を握る奥さんに)
あんただけなんやさ、古典と方言の事がわかってござる人は。
いままで、いろんな人にこんな面白い話をしても
誰もみな、笑ってくれなんだんやさ。
やっぱ、あんたやさ。
- おう、そうじゃなあ、わりの言うのももっともじゃさ、と言って必ず相手の主張をまずは納得する事。
- 相手のあつかましい要求をこちらが先に提示すると相手はひっこめる。
わりの好きな源氏物語も訳がいくつもでとるでなあ。
はや(=いっその事)、そいつ全部買って、あれこれ読み比べてみよよ。
そりゃあ、わりのこっちゃで、あーれ面白い、って思うろう。
- 相手にぶつけられない事は、人間は〜、等の一般論にすりかえよ。
百人一首の恋の歌も、いっしょけんめ詠んでも、
なかなか通じんもんなんやさなあ。
それどこか、夜をこめて、なんていう清少納言っていう
あの気の強いおんなよなあ。
おんなあ、あんだげ気がつようてぁなあ絶対にだしかんさ。
そうやが、気のつよいおんなってやつぁ男どもの嫌われもんじゃさ。
- 反応が全く無い相手には、むしろ相手がムッとする質問をしてもよし。
(奥方に)わりが今、一心にみとるDVDなあ、
その作品なんて、文学的価値なんか全然無い事を知っとって
見とるのがよ?
- 錯覚しやすい美辞麗句で、まずは相手をなごませる。
(奥方に)そやが、あの、待ちに待った、話題の、超大作のDVD
は大変な、空前の前評判やで、数々の賞も総なめやそうやで、
今度、みにゃだしかんさなあ。
多湖先生なら、このような冗談記事を
笑ってお許しくださるでしょう。
あるいは氏いわく、佐七君は日本に数少ない飛騨方言翻訳家だね。
またあ、先生こそお上手を。
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