下呂温泉は東海の奥座敷です。そして群馬の草津温泉、兵庫の有馬温泉とならんで
日本三名泉のひとつといわれる日本を代表する温泉です。
ちなみに、この日本三名泉の由来は、江戸時代の儒学者、林羅山(1583〜1657年)が記した事にはじまるといわれているようです。
さすがに草津さんも有馬さんも日本三名泉を誇って自賛しておみえです。
下呂市民の方にとっても日本三名泉という言葉は大変な誇りでありましょう、
校歌に出てきてもおかしくないといえば言いすぎでしょうか。
しかしまあ、火山国日本に温泉の多い事、
いろいろな独自な分類で日本の三大温泉を記しているネット情報もあり、
またどんな温泉でも何かひとつやふたつはとりえ、特徴があろうというもの、
日本一情報もなかなか盛んです。
ところが下呂温泉は何が日本一かというと
単純温泉、つまり泉温が25℃以上で、温泉水1s中に含有成分が1000mgに満たないもの
という事でのみ日本一、なあんだ。
あるいはひょっとしてこの事を下呂市民の方は、はひた隠しです。
つまり自分自身を紹介するのに、私は日本一の単純温泉・下呂温泉の出身です、とは
決して言い出さないのです。必ず、私は日本三名泉、つまり草津、有馬と並ぶ下呂温泉の出身です、と
言うに決まっています。
"おっ下呂の出身ですか、日本三名泉じゃないですか。"ときかれたら、すかさず、
ハイと答えますし、"下呂は単純温泉で日本一ですよね"、
という問いは下呂市民の方にとっては単なる褒め殺し、
"・・ええ、単純温泉で日本一なのもさすが日本三名泉だけあるでしょ。"
という事でしゃみしゃっきり。
ですから全国の皆さん、単純温泉で日本一なんてどうでもいいのです、とにかく
飛騨の人には日本三名泉という言葉で下呂を誉めそやしてください。
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