大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム しびれる言葉

日本三大美祭

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私:飛騨と言えば高山祭、という事で、私の子供の頃は日本三大祭(まつり)と言われていたような気がするが、記憶は藪の中。
君:既に同語でこのコーナーにお書きだから、つい最近までの記憶という事じゃないの?
私:そうなんだよ。2022年秋、コロナ感染対策を踏まえて二年ぶりの開催か。ネット記事を見ると、日本三大美祭(びまつり)、となっているじゃないか。あれっ、と思ってしまった。
君:慌ててネット検索したのね。
私:うん。日本三大祭と言えば、神田祭(東京都)、祇園祭(京都府)、天神祭(大阪府)のネット情報が多いのにびっくり。僕の常識が欠如していたのか、或いは何時の間にか高山祭がはじき出されてしまっていたのか?そして表題をワードにネット検索すると京都祇園、高山祭、秩父夜祭。謎は深まるばかり。
君:何が謎なの?
私:昭和の時代には高山祭を日本三大祭と言っていたのだったかな。多分、全国的にそう言われていたのだろう。或いは飛騨の人達だけが勝手にそう呼んでいたのかもしれないが。僕の幼い日の記憶にはこの言葉が刷り込まれている。いつしか三大祭は東京・京都・大阪を指す言葉になっていたのかもしれないね。困った人達が日本三大美祭なる言葉を考え出した可能性があるだろう。つまりは言葉の仕掛け人。登録商標じゃあるまいし、法的根拠がないような感じもするね。もう一つ、大いなる疑問がある。
君:どんな?
私:高山祭という言葉はあるが高山美祭という言葉はない。秩父夜祭という言葉があるのは当然として、秩父美祭というネット情報もあった。蛇足ながら祇園美祭という言葉は無い。京都人の意地というものだろう。但し祇園夜祭という言葉はある。当然と言えば当然だな。そしておらが故郷、高山祭は夜祭でも有名だが、但し高山夜祭という言葉は無い。
君:要は美祭たる高山祭には夜祭があるという意味ね。
私:正にその通りです。そもそもが広辞苑六版には美祭の記載が無いんだよ。つまり美祭って日本語?早速に国立国語研究所の中納言コーパスにアクセスして同語を検索してみたらヒットゼロだったのには思わず笑ってしまった。
君:岐阜県民のみならず、埼玉県民を敵に回すようなそんな言い方はよくないわよ。
私:いや、国研コーパスでは、美祭、三大祭、等々がヒットゼロという事が大問題。これって致命的だ。つまりは検索はグーグルに限るね。よりによって日本語に関して日本国の機関が米国の民間資本に敵わないってどういう事?左七は日本人として恥ずかしいよ。
君:ほほほ、グーグル検索を信ずる限りは、美祭と言う言葉は新語ね。
私:日本語が無秩序状態のような気がするんだ。
君:それでいいのよ。美祭はどうやら自然言語なのね。

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