大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム しびれる言葉

「洲さき」と「角正(かくしょう)」

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読者の皆様が格段に多いわけでもないのでしょうが、アクセスカウンターを見ますとゼロの日は無いので、あなたのクリックがあれば何か書いてお礼の気持ちをお伝えしたい、という気持ちになります。ただし、毎日のように飛騨方言をテーマに書き続けるほどの知識があるわけでなし、本業の仕事が忙しいと方言学の蔵書に目を通す時間が無くなってしまうのです。今日は飛騨をまだ訪れておられない全国の読者の皆様への、ちょいとしたルルブ小ネタという事で。

飛騨のグルメで有名なのが飛騨牛ですが、実は歴史はそれほど古くはありません。1981年(昭和56年)6月16日、「安福号」というとんでもないジューシーお肉の牛が生まれたのがきっかけで、柔らかいのですが、脂身が多い霜降り肉なので、ご高齢のお方のお口にはあまり合わないかもしれません。松阪牛に瓜二つの飛騨牛です。松阪市の「和田金」や「牛銀」、桑名の「柿安」などの料亭が大好きなお方には飛騨牛はお勧めです。

今回は飛騨牛のお話ではなくて、飛騨の高山にある素敵な料亭・「洲さき」と「角正(かくしょう)」、この二軒です。二つの料亭ともに江戸時代から続くお店で、「洲さき」は寛政六年(1794年)の創業、「角正」は文久四年:1864年(元号が変わり、元治元年も同じく1864年)の創業との事です。「洲さき」は岐阜県で最古の料亭としても知られた存在です。

なにせ江戸時代・明治・大正・昭和・令和と、数えきれない災禍を乗り越えて続いてきたふたつの料亭なので、2020年のコロナ災禍による全国に拡大した非常事態宣言に対しては冷静に対処しておられるでしょう。先ほどチェックしたら、「洲さき」様はあっさりと5/6までお休みをウエブで発信なさいましたが、「角正」様はテイクアウトをなさっているようです。

大事な思い出作りをお考えなら、高山にお立ち寄りの折には是非とも「洲さき」あるいは「角正」でごゆっくりと本物の飛騨の味・宗和流本膳をお楽しみくださいませ。事前の予約は必須です。当日の予約は運が良ければという事で、余裕を持って事前の予約をなさるのがよいでしょう。高山市街というか、岐阜県で江戸時代からの伝統ある料亭はこのふたつのお店以外にはありません。全国広しと言えども現存する唯一の代官所・陣屋、江戸時代にタイムスリップ、歴史の町・高山なのです。

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