大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 語源学の基本

倒語、逆さ読み、音位転換、音位転倒

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私:前二つの英語は reverse-spelling で後の二つの英語は metathesis。言葉遊びの初歩のようなもので、語源としては類推しやすい。
君:具体例をお願いね。
私:倒語、逆さ読みでよく引き合いに出されるのが、サザンカ。山茶花、つまりは元来はサンサカだが、江戸時代だったかな、言葉の戯言でサザンカというようになり、それが定着し、現代に至っている。だらしがない、という言葉も、ふしだら、の意味だから、元々は、しだらが無い、という言葉だった。しだら、は自堕落あるいは梵語の Sutra から来ているらしい。地名としては秋葉原が有名。
君:秋葉原?・・なるほど、あきばはら、が、あきはばら、になったという理屈ね。ほほほ
私:幼児語でもよく見られる現象だね。牛乳をニューギューと言うとか。
君:飛騨方言の例は?
私:飛州志に、ちゃまが茶釜、の記載がある。がしかし、流石に今は使われないだろうね。飛騨のヤンママ様方も文福茶釜の絵本をせっせと読み聞かせていらっしゃるだろうし。飛騨方言で茶釜を、ちゃま・ちゃーま・ちやまが、等と発音する事もあるかな。土田吉左衛門・飛騨のことば、には記載があった。
君:音位転換、音位転倒についてはどうかしら。
私:いやあ両語とも倒語(逆さ読み)と同意だね。厳密な区別はないと思う。単純なものが倒語(逆さ読み)で複雑なものが音位転換(音位転倒)のようだが英語のお話。複雑とはラテン語と古代英語で音韻変化が複雑に絡み合ったような事を示しているらしい。蛇足ながら metathesis は有機化学反応の用語としても有名。ご興味あるお方は2005年のノーベル化学賞へどうぞ。
君:いえ、結構です。ラテン語と古代英語も御免だわ。
私:まあ、日常生活に関係ないからなあ。
君:現代語で何気なく使用している言葉には実は倒語というものも多いのね。
私:その通り。ネット検索すると、あるわあるわ、話の種・話のネタ、あらたし・あたらしい、やど宿・どや街、等々。
君:ほほほ、業界用語として現代語としても量産されている倒語ね。
私:昔から日本人は逆さ言葉遊びが大好きだった。なかきよの とおのねふりの みなめさめ なみのりふねの おとのよきかな
君:上から読んでも下から読んでも、の和歌ね。室町時代。
私:出典をどんどん忘れて困っている。
君:忘却とは忘れ去ることなり。忘れ得ずして忘却を誓う心の悲しさよ。君の名は左七。ほほほ

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