岐阜県の北部が飛騨、南が美濃ですから、南北の方言対立、題して濃飛の言語対立
があろうかと思いますが、また筆者は現在、美濃地域に在住して
おり、正にこの事が論述できる立場にあるのですが、何せ
美濃が飛騨に比して明らかに都会という事で方言が廃れています。
あれこれ古い方言資料から筆者が興味を持った箇所を抜き書きしますと、
飛騨 美濃
はずかしい こわい 使わず
くやしい はんちくたい 使わず
苦しい てきない 使わず
準備する やわう 使わず
大根 だいこん でーこん
赤い あけー あけー
行かれます いきなさる いきゃーす
行きましょう いかまいか いこまいか
唐辛子 なんば こしょう
トウモロコシ とうな こうらきび
だめだ だしかん だちゃかん
いらっしゃい きんさい おんさい
そうでしょう そやろ ほうやらあ
〜な申し 〜やな 〜なも
の如く、対立が見られるようです。
アクセントについても詳述してある書が見受けられますが、
私自身、飛騨と美濃のアクセントの違いを肌で感ずる程ではなく、
とてもご紹介する気持ちになれません。
また郡上の方言サイトにつきましても一言たりともおろそかにせずに
拝読しましたが、相違点よりも類似点が圧倒的に多く、
郡上方言と飛騨方言は血を分けた兄弟である事を筆者なりに確信しています。