大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 飛騨方言だじゃれ

究極の飛騨方言・飛騨方言だじゃれコーナー

だじゃれも手ごろな言葉遊びですが(庭には二羽、にわとりがいる)、昔は娘といっしょにノートを作ってせっせと駄作を書き溜めていたものでした。 今は大きい末娘がかつて学習雑誌、小学2年生だったかに応募した作、"赤ちゃんの垢、ちゃんと洗って"が特選となった本、 我が家の家宝となっていますが。
形容詞+なあ、名詞+なのよ。
形容詞の語幹というものはもともとは名詞です。ですから飛騨方言の女性格文末詞・いな、が 体言に直接接続可能である事を利用していくらでも駄洒落が作れます。 掛け合い漫才形式の二人の会話です。 ただし、"白いな。はい、白いな(=色は白ね)。"というのは不可です。必ず別の名詞に しましょう。例えば、"白いな。はい、城いな(さすが白亜城ね)。"という具合です。
(夕食の会話)うまいな。ハイ、うまいな。 
  −>美味いな。ハイ、馬いな(馬刺しです)。

(ビデオで自分のフォームを見て)かたいな。ハイ、かたいな。
  −>硬いな。ハイ、肩いな(肩が特にね)。
    
(夕食の会話)にくいな。ハイ、にくいな。
  −>いやあ立派なご馳走、憎いな。
  ハイ、肉いな(あなたの好きな肉料理よ。)
  
(小鳥屋さんで)たかいな。ハイ、たかいな。
  −>(どの鳥も)値段が高いな。
    ハイ、鷹いな(何といっても鷹ですわい)。

(自分の足が)あかいな。ハイ、あかいな。
  −>赤いな。
    ハイ、垢いな(垢よ)。さっさと風呂場で
    足を洗ってくださいな。
    
(居間でご主人が奥様に)いたいな。ハイ、いたいな。
 −>痛いな。
   ハイ、板いな(板です)。
   子供が悪さをしてあんたの座布団に積み木を
   いれたんやさ。

割に合わん檻だから、あなたに会わんわ、私。
飛騨方言のだじゃれですが、"割に合わない檻"を 平仮名で、"わりぃにあわんおりぃ"と表記してみてください。 わりぃ(=あなた)に会わんおりぃ(=私)(=貴方に会わぬ私)の別意味が隠されていることを意図しています。

さて、動物園の檻の設計ですが、考えてみれば大変に難しい仕事でしょう。 許容される敷地面積、動物と人間の臨界距離の計算、予定見学者数、予想繁殖個体数、などを 考慮して設計するのでしょう。 ところが設計家が建設費用を度外視して案を出すものですから、 園の経営者は、そのような案では話にならん、だからもう会いませんと檻の設計を解約してしまった という、飛騨方言がわかる人にはわかるというお話でした。
ありゃだりぃや? ダリや。
(=あの人は誰? (画家の)ダリです。)
ダリゃだりぃや?ダリゃダリや。
(ダリって誰?ダリって(画家の)ダリさ。)

飛騨方言の人称代名詞ですが、彼 は ありぃ(アクセント二拍目)、彼は は ありゃ(同二拍目)になります。 ついで、 不定称・誰 は だりぃ(同二拍目)、 誰や? は だりぃや?(同二および三拍目)になります。

ちょっとしただじゃれのつもりの上記の例文ですが、ダリといえば、 中学の美術で習ったような覚えがありますが、 "ダリって誰?ダリって(画家の)ダリさ。"を飛騨方言で書きますと、 "ダリゃ(=ダリ氏は)"つまり主語の時は小さい ゃ 、"ダリや(=かの画家のダリ氏ですよ)。"つまり述語の や は 大きい や になります。
出汁(だし)か!ん?!! だしかん出汁(だし)、缶に入れるとだしかん。

飛騨方言"だしかん"はだめだ、らちがあかないという意味の形容詞です。 料理人さんが、テーブルにこぼれている粉をみて、 "なんだ、料理のだしか、あれ、(味がおかしい)だめな出汁は、缶に戻して入れてはだめだ。" と飛騨方言でつぶやいたというわけです。