大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 文法

判定詞

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私:いつの歳になっても学ぶという事は楽しい事だが、今日は「判定詞」。
君:寺村文法ね。
私:おっ、さすが。寺村秀夫。戦後の文法学者。『日本語のシンタクスと意味T』(くろしお出版、1982)、つまりは君が国語教員として社会にデビューした年。
君:学生時代に学んだ事ですべてが解決できるものではない、という事を社会人になると知らされるのよね。
私:まあ、そんなところだ。医者の世界も同じだよ。卒業後のふんばりが問われるんだ。学問は日進月歩である。それはさておき・・
君:判定詞とは何か、という命題ね。簡単にお願いね。
私:ほいきた。判定とは文の切れ目という事だ。終助詞があれは文章の切れ目である事はわかる。がしかし、終助詞だけが文の切れ目を示すとは限らない。従って文の切れ目を示す品詞のうち終助詞を除いたものが判定詞だ。具体的には助動詞「だ・です」とか、あるいは用言終止形や命令形も判定詞。名詞ですら。例えば「僕が知りたいのは君のこころ。」
君:「こころだ」という事で助動詞のヌル接続という事じゃないかしら。
私:そうだね。ゼロ接辞という用語もある。国文法も英語に毒される時代になってしまったね。話は戻るが1982、四十年も昔の事だな。
君:学校文法では教えない事だから、別に知らなくてもいいのよ。
私:・・これだけは言わせてくれ。
君:いやだ気味が悪い。
私:いや、ノスタルジアじゃないんだ。判別詞のプロパティー。
君:特徴とか特質という日本語があるわよ。
私:それもそうだが、判別詞のプロパティーとは実はイントネーションだ。英語攻め。ぶっ
君:国民の皆様の中にはアクセントとイントネーションの区別をなさらない方がいらっしゃるわ。
私:アクセントとは単語ひとつひとつに特徴的な音の高低の事。イントネーションとは文章全体の上がり調子・下がり調子の事を言う。疑問文では上がり調子になるのは万国共通と言ってもいい。
君:自家撞着ね。文には必ず判定詞か終助詞がある。文には必ずイントネーションがある。従って判定詞・終助詞は必ずイントネーションを伴う、という三段論法でいいのじゃないかしら。
私:判別詞などというおよそ人生に役立たない言葉を僕達は議論してしまった。
君:『日本語のシンタクスと意味T』1982が取り持つ縁。ほほほ

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