大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム |
飛騨方言文末詞にか(2) |
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僕:共通語において形ク「ない」は、例えば、佐七じゃないか・いいんじゃないか・返事こないかな、等々、否定表現であっても肯定の意味の事がある。 君:飛騨方言では「ないか」は「にか」に音韻変化するのよね。 僕:その通り。上記文は飛騨方言では、佐七やにか・いいんやにか、ただし三番目は、返事こんかな。「返事こにかな」はナンセンス、「返事こんにか」はセンスにあうが、意味は、返事が来ないじゃないか、の意味。つまり文字通りで、否定の意味。 君:これは共通語と飛騨方言との文法の違いといいたいのよね。 僕:その通り。品詞分解すると、「じゃないか」は共通語では、では(格助詞二個の複合助詞)+形ク無し+終助詞か。その一方、飛騨方言では複合助動詞や(であり)+形クの音韻変化に+終助詞か。 君:複合助動詞とある限りは文末。これに更に品詞が後接する事なんてないわよ。 僕:それこそが飛騨方言の文法。実は、佐七やにか・いいんやにか、は、佐七やさ・いいんやさ、に変換する事ができる。 君:つまりは複合助動詞や、これに単モーラ「さ」がつくのが飛騨方言文法。ところで「さ」って何? 僕:うん、語調を整えるための言葉であって、要はあってもなくてもいい品詞。つまりしいて言えば詠嘆の意味の間投詞。「さあ」の如く長音になる事も多い。つまりは、佐七やさあ・いいんやさあ。 君:「にか」は「にかあ」の長音にはならないのかしらね。 僕:普通はならないね。アクセントで説明がつく。つまりは平板。尾高にはならないし、アクセント核は無い。 君:あれこれ屁理屈はいいから、「やにか」をまる覚えすればいいのよ。共通語で「じゃ(では(格助詞二個の複合助詞))」が無い場合は使わないに越した事ないにか(=ないじゃないか)。 ほほほ |
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