大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム |
飛騨方言文末詞にか(4) |
戻る |
僕:共通語において形ク「ない」の複合語「じゃないか」は、飛騨方言では音韻変化して「やにか」になる事がある。これを使うと俄然、飛騨方言らしくなるが、落とし穴が無いわけではないね。 君:落とし穴とは聞き捨てならないわね。 僕:飛騨方言の話者でないおかたが、ひとつ飛騨方言でも勉強してみようとお思いになった時の注意点といってもいいね。 君:そんな人、いないわよ。 僕:まあ、そうおっしゃらずに。仮に、の話だ。ひいては、文末詞とはそもそも、という方言学の命題になる。 君:いいから結論を言ってね。然も一言で。 僕:うん。「にか(=ないか)」は文末詞なので、用言にしか接続できません。名詞には接続しないでください。 君:試験じゃないか、とかいうわよ。 僕:それは複合格助詞「では」を介して接続しているのであり、「試験ないか」だと違った意味になるでしょ。 君:そうね。「にか(=ないか)」は適切な格助詞が先行する事はあるが、名詞が直接は先行できないという事ね。 僕:飛騨方言では「白いにか(=白いじゃないか)」という事で形クに直接、接続できる。形シクにて然り。例えば、美味しいにか(=美味しいじゃないか)。 君:動詞はどうかしら。 僕:行くにか(=行くのじゃないか)、とか、行かんにか(=行かないのじゃないか)、とか。直接、接続できるね。 君:飛騨方言以外の方言、全国の方言に通じるのかしらね。 僕:多分ね。土佐空港を思い出す。あるレストランに「かつおぜよ!」と書かれた定食があった。これが正しい表現なのか、そうでないのか、僕にはわからない。 君:つまりは飛騨方言では「わからんにか」は文法に合っているけれど、「不明にか」はアウトという事ね。 ほほほ |
ページ先頭に戻る |