形容詞を形容動詞に変化させる事について殊更に記載するまでもない事ですが、
本稿は違う話題です。
以下にお示ししますように、
ひとつには形容詞語幹+まる(接尾語)、もうひとつは形容詞語幹+がる(接尾語)の用法です。
1.形容詞語幹+まる(接尾語)
形容詞語幹の状態になる(自動詞)の意味になるようです
例 ぬくとし => ぬくとまる(=暖かい状態になる)
かたし => かたまる(=硬い状態になる)
せばし => せばまる
せまし => せまる(=狭い状態になる)
きわぎわし => きわまる(=顕著な状態になる)
あやし => あやまる(=怪しい状態になる)
あらたし => あらたまる(=あらたな状態になる)
2.形容詞語幹+がる(接尾語)
形容されるもの(目的格)がなるほど確かに形容詞語幹の
状態であると感ずる(他動詞)の意味になるようです。
感ずる、という事がポイントです。高い、低いなど
ただ単に物事を形容することばには用いる事ができません。
例 うれし => うれしがる(=嬉しく感ずる)
こわし => こわがる(=こわく感ずる)
きたなし => きたながる(=汚く感ずる)
け(奇)なりい => けなるがる
(=珍しくて羨ましく感ずる)
はんたくたい => はんちくたがる
(=くやしい) (=くやしく感ずる)
以上の例ですが、少しこじつけのような所がありますが、
それはそれ何と言いますか、このような見方もあるという事で。
また飛騨方言の形容詞であれば飛騨方言の動詞になる
という事ですが、共通語に通ずるものがありましょう。
さて応用題になりますが、ぬくとまる、が自動詞ならば、
ぬくとがる、で他動詞いっちょう出来上がりです。
こりゃまたええ湯加減ですなあ、と湯加減を心地よく感ずれば、
ぬくとがる(=体があったまっていると感ずる)、と
いっても完全に飛騨方言のセンスにあっていると思いませんか。
あるいは、この湯はあつくてかなわん、と思えば誰でも、
湯をあつがる、というでしょう。