大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 文法

飛騨方言における相槌表現

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飛騨方言の相槌ですが、重要な点がひとつあると思います。 それは、ええ、という相槌を打つ時に用いられる言葉です。 日本人なら誰でも使う、ええそうですね、というような言い回しです。 ところが、飛騨方言では、相槌をうつのに、ええ、は決して用いません。飛騨方言の相槌は一般的には、はい、を用います。

若し、ええ、を相槌にうっかりと使用してしまおうものなら、わざと共通語を使っているきどったいやなやつ、という事になります。 勿論、本稿は多分に筆者の主観に基づく記事です。きっと反駁したいと思われる方もお見えでしょう。 あるいは高山市の街中にお生まれ、お育ちになった上品な方は、ええ、を使われるかもしれません。

がしかし、小生の生まれ育った戸数数十戸の飛騨の寒村では、若し、ええ、とでも言おうものなら、 田舎を離れてほんの少し都会に住んだだけで既にもう言葉づかいが都会風になってしまって、と誰もが思ってしまうのです。 以下に筆者なりに考える飛騨方言の相槌とこばをお示しします。あるいは、飛騨地方でも片田舎の相槌ことばといったほうが正確かもしれません。
       男性 女性 男性 女性 
       年配 年配 子供 子供 飛騨方言らしさ
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はい     ○  ○  ○  ○  一般的
はいはい   ○  ○  ○  ○  
うん     ○  ○  ○  ○  
そうや    ○  ○  ○  ○  一般的
そや     ○  ○  ○  ○  一般的
そやさ    ○  ○  ○  ○  一般的
そうじゃ   ○  ○  ×  ×  一般的
そじゃ    ○  ○  ×  ×  一般的
はっ     ○  ×  ○  ×  
そやぞ    ○  ×  ○*1 ×  一般的
そやえな   ×  ○  ×  ○  一般的
おう     ○  ×  ○*1 ×  一般的
はあ     ○  ○  ○  × 

ええ     ×  ×  ×  ×  都会風、ハイカラ
                   すぎて飛騨方言アウト
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*1 子供どうし。 目上に対しては、はい。

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