例えば、してくれ・してください、という意味で話す時ですが、いくつかのパターンが
あります。
★動詞連用形+終助詞・て(で)+くりょ。 例えば、してくりょ、ですが、してくれよ、が
訛った言葉なのでしょう。読んでくりょ、といえば、読んでくれ、という意味になります。
アクセントは、て(で)、にあります。強く依頼する場合は、してくりょう、読んでくりょう、と
伸ばす事もあります。また四段動詞でも濁音終助詞・で、を用います。つまり、書いでくりょ、
といえば書いてください、という意味になり、嗅いでくりょ、といえば、嗅いでください、
という意味になります。尚、この言い回しは男性言葉です。
母親が子供に用いる以外は、女性同士、ましてや女性が男性に対して用いる事はありません。
★動詞連用形+終助詞・て(で)+くりょよ。 上記の表現に更に終助詞・よ、を付加する言い回しです。
深い意味はありません。やはり男性言葉ではあり。 母親が子供に用いる以外は、女性は用いません。
★動詞連用形+終助詞・て(で)+くろ。 例えば、してくろ、ですが、してくれろ、が
訛った言葉なのでしょう。読んでくろ、といえば、読んでくれ、という意味になります。
アクセントは、て(で)、及び末語・ろ、にあります。
また四段動詞でも濁音終助詞・で、を用います。つまり、書いでくろ、
といえば書いてくれ、という意味になり、嗅いでくろ、といえば、嗅いでくれ、
という意味になります。尚、この言い回しは男性言葉です。
母親が子供に用いる以外は、女性同士、ましてや女性が男性に対して用いる事はありません。
★動詞連用形+終助詞・て(で)+くれんさい。 例えば、してくれんさい、ですが、してくれなされ>してくれなさい、が
訛った言葉なのでしょう。飛騨方言では丁寧語・尊敬語にあたり、男女共に用い、
また目下の者が目上の方に用いても、女性が男性に用いてもかまいません。
★動詞連用形+終助詞・て(で)+くれんかえな(くれんがえな)。 例えば、してくれんがえな、
ですが、してくださらないかしら、という意味になり典型的な女性言葉です。
丁寧語・尊敬語にもあたり、男女共に用い、
また目下の者が目上の方に用いても、男性に用いてもかまいません。
★動詞連用形+ないよ。 例えば、飲みないよ、
ですが、飲みなさいよ、が訛った言い方なのでしょう、典型的な女性言葉です。
あるいは時に命令形の意味にもなりますので、目下の者が目上の方に用いる事は
あまりありません。がしかし優しい口調で話せば丁寧語・尊敬語にもあたり、
男女共に用い、命令の意味がなくなることもあります。
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