★かにしょ(男)。かにな(女)。かに。
それぞれ、堪忍せよ、堪忍(して)な、が訛った言葉です。
堪忍せよ、といっても命令形的な意味は無く、ひたすら恐縮して謝る
場合に用います。念を押す意味の終助詞・な、は主として
女性言葉ですが、男性が優しい言い方として用いても可笑しくは
ありません。すまぬ、という意味でただ単に、かに、ということも
あります。また、感嘆符とともに、"あれ!かに!"という事もあります。
上記のいずれも文例もアクセントは、堪忍の後部・に、あります。
★こわい(形容詞)
飛騨方言では、相手に対して恐れるという共通語の意味は無く、
恐縮してしまう、申し訳ない、かたじけない、という意味の形容詞です。
方言文末詞を付加して、こわいさ(男女)、こわいえな(女)、という
言い回しで用います。
★うたてい(形容詞)
古語辞典にあります、おどろおどろしい、というような意味は
全くなく、恐縮してしまう、という意味の形容詞です。
方言文末詞を付加して、うたていさ(男女)、うたていえな(女)、という
言い回しで用います。
★すまないの派生語
飛騨方言では男性では、すまんな、すまんなあ、(あるいは単に)すまん、というのが普通です。
すまない、というと明らかに共通語を意識した言い回しになります。
女性では、すまんえな、を用います。
強調の意味で感嘆符を付加して、あーれすまんなあ、あーれすまんえな、
という言い回しもよく用いられます。
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