大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 文法

飛騨方言における自発の表現

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新書の専門書、岩波書店・方言の文法、の内容を受けた 記載である事をあらかじめお断り申し上げます。 同書中、現代共通語の自発形式、中古語の自発形式、 の記載は良しとして、方言の自発形式ですが、盛岡方言、静岡方言について 形式的特徴から、古典語の下二段助動詞(ラ)ルが周圏的に 残存したものとはいえないが、その分法的な特徴は互いに 似ているところが多い、とまことに歯切れの悪い記載です。

飛騨方言においては中古語の自発形式をとどめる特異なる表現は無し、でしょう。 飛騨方言は現代共通語の自発形式そのもののようです。
  • 思考動詞に助動詞レルを付加
    おりにゃあのこがやったと思われてしょうがねえ。
    私にはあの子がやったと思われてしかたがない。
  • 可能動詞の一部を用いる
    あのこの話をきいどるといつのまにか泣けてきた。
    あの子の話を聞いているといつのまにか泣けてきた。
  • 動詞一般に、〜してしまう、を付加する
    いそいどったもんで、ついつい赤信号でわたってまった。
    急いでいたので、ついつい赤信号で渡ってしまった。
  • 非対格自動詞文(現代共通語・飛騨方言とも同じ)
    うっかり枝が折れた。糸が自然に切れた。

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