男子の蔑称ですが、くそでっち、わるでっち、という飛騨方言があります。
共通語においては、でっちという言葉そのものが年少者を卑しめていう言葉になりますので
従って、くそでっち、わるでっち、とも共通語といえなくもありますまい、
飛騨方言をご存じなくともどなたも瞬時に理解できる言葉のはずです。
がしかし両語とも国語辞典にはなく、
またネット情報としても各地の方言とは言いがたく、飛騨方言のサイト
からの発信がほとんどを占めるようです。
また悪童、悪ガキ、悪タレ、悪太郎、等々は飛騨方言語彙には無いと記載すべきでしょう。
語気荒々しく話せば当然ながらどうにも仕方のない悪童という意味になります。
ただし、佐七リンク集>一単語レッスン>kokufu.net/~tanap/kodomo/dai_2sai.htm わるでっち
にあります様に、元気すぎるわが子を喜ぶ愛称そのものという意味で使用される事も
むしろ多いのですね。微笑ましい限りです。
言い回しとしては、このくそでっちゃ!、あるいは、このわるでっちゃ!、が代表例でしょう。
" この〜は(何という奴だ) "という意味で、主語の格助詞・は、が明瞭に発音されないのが飛騨方言の特徴です。
強調表現においても、この〜でっちゃあ!、となります。
これでも言い足りない場合は、このくそわるでっちゃあ!、というお父さんも
ありましょう。くそが名詞であり、わるが形容詞語幹である事を考えると、
何故に、わるくそでっち、といわないのか英米人にはそれなりの説明が必要でしょう。
これでなおも言い足りない場合は以下のように言い方が更にエスカレートする
可能性があります。
このどくそわるでっちゃあ!
このどどくそわるでっちゃあ!
このおおどどくそわるでっちゃあ!
これでも言い足りない場合は、このおぞくたい、げばいた、だばえた、おおどどくそわるでっちゃあ!、というお父さんも
ありましょう。・・・きりが無いので・・・このへんでしゃみしゃっきり。
|