大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム方言学 |
第二人称代名詞・わり |
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私:私は方言の勉強に関しては所詮、アマチュアですから、専門書を読んだり、あるいはそれをつん読してみたり、ですから専門家のご業績を漁る立場です。 君:ほほほ、それで人称代名詞についても漁りつくしたので、知識をひけらかしたいのね。 私:ははは、からかいやがって。まあいいや、君と僕の間だから。さて、飛騨方言では私の事を「おり」、あなたの事を「わり」と言うね。 君:ええ、どこかの御国言葉にもあるでしょうね。 私:そりゃそうだろう。がしかし、ここに一冊の方言辞典がある、佐藤亮一監修日本方言辞典、小学館。語数十五万、とある。ここにはなんにも人称代名詞の記載が無い。 君:えっ、それはまた。では専門書はどうなの。方言学者の中には代名詞の鬼みたいな方がいらして、徹底的に書いていらっしゃらないかしら。 私:ははは、そうだとよかった。が然し、結果はゼロ。 君:えっ、それはまた。なにか、あなたの情報収集能力不足の結果じゃないのかしら。・・ 私:ははは、そうだとよかった。が然し、・・無いものは無いのだろうね。でも、世の中にこういう事は多い。なら、自分で調べればよい。でも、僕にはその方法論がわからない。 君:なるほどねえ、それは知らなかったわ。 私:それでもねえ、古文の世界はそれなりに面白いんだ。「おれ」の語源は「おのれ」だよね。この言葉が何時の時代に生まれて現在にいたる、とかいう事がどこかの本に書いてあった。われ・我、のほうがもう少し面白いかな。 君:われ・我、の事を飛騨方言では何故、わり、というのか、という事は本質ではないわよね。 私:そう、まさにその通り。「わり」という言葉になってしまったのは偶然、それ以外の意味は無い。ところで、意外なところに記載があってホッとしているんだ。 君:えっ、どういう事かしら。 私:僕はね、乱読・濫読・つん読主義、立ち読みしてさっと目を通して少しでも気に入れば買って帰って、じっくり読むんだよ。 君:奥様にお小遣いをもらって、小時間を本屋で過ごすのが至上の楽しみなのね。 私:ははは、からかいやがって。図星だ。今、佐久間淳一著・はじめて見よう言語学、研究社、を読んだ。僕どこからきたの、の章に書いてあった。 君:飛騨方言で「わり」を使うのは共通語でオトナが幼稚園児に話しかけるノリに近いというような論文なのよね。多分。 私:すごいね。お見通しだね。その通り。他に、じぶんなにしてんねん、なにやっとるんかいわれ、などの関西方言の言い回しの紹介もあったよ。言語学者の方に方言のイロハを教わった。 君:同等、あるいは目下には、われ、は結構使われるという事なのね。 私:そうだね。人称代名詞は敬語と切っても切れない関係にある。この辺をきちんと書かないと。 君:それじゃあ、まずは飛騨方言の情報発信をどうぞ。まずは「わり」から・・おっと失礼しました、まずは「あんさま」から。 |
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