大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム |
そう |
戻る |
私:毎日、何か気づいた事を書こうと思っている。方言学とは少し外れるが、2022/4/19 本日、テレビニュースで有名なワクチン専門家の先生が「新しく認可されたワクチンは副作用がすくなさそうです」と仰って、思わず目が点。 君:どうして「すくなそうです」と仰らなかったのかと。 私:その前に。「そう」って何? 君:質問になっていないわ。ここは接尾語のコーナーよ。 私:その通り。接尾語だ。「さま様」の転とする名詞説、「そう相」の字音とする説、指定の助動詞「だ・です」との複合形をもって助動詞とする説、以上、三つの説があるようだ。他にも説があるかな。 君:あるわよ。古語的には「さう然」。だから指示副詞「さ」の延言で決まりね。「さ」は最重要和語。接頭語としても。例えば「さ夜」「さ霧」。上代は名詞・動詞に冠して用い語調を整えたのよ。当然ながら歌に用いられた接頭語。今回の話題は接尾語ね。 私:なるほど、さうか。でも「うまそう。」で独立文だ。「さま様」名詞説も一理あるのじゃないかな。 君:さうね。ほほほ 私:今日の話に戻ろう。接尾語「そう」は名詞や用言語幹に付く。「すくなそう」と言えば形ク連用形+「そう」、一方、「すくなさそう」と言えば名詞「すくなさ」+「そう」なので後者があながち間違いとは言えなくもない。 君:一応は敬意を払って。実は、誤れる回帰よね。 私:だと思う。「何々さい」という形容詞の言い方に釣られた誤用という事だろう。例えば、浅そう、小さそう、何々臭そう、爺むさそう、何々うるさそう。浅い事を「浅さ」とは言うが、流石に「あささそう」とは言わないね。 君:さ(う)こそあらめ。ほほほ |
ページ先頭に戻る |