大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 古代

神代文字

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私:まずは動画を。

君:さすがに「かみしろ」文字はいただけないわよね。
私:「じんだい」だね。「神代」の派生語としては他に神代神楽(かぐら)、神代酒、神代杉の三語がある。
君:意味は?
私:伊勢神宮に奉納する神楽、濁り酒、水中・土中に埋もれ後世に発見され工芸品に使用される材、といったところだね。
君:神代文字と言えば平田篤胤よね。
私:その通り。江戸時代の大論争。縄文時代以前に日本に固有の文字文化があったのでは、という学説。ただし完全に否定されている。実は朝鮮半島のハングルそのものだった。
君:何故、平田篤胤は間違ってしまったのかしら。
私:皇国史観、万世一系的思考の根深さと、日本特有の視界の狭さというところだろうね。
君:つまりは神代文字などというものは存在していなかった。
私:その通り。日本に縄文時代はあったが、文字は存在していなかった。世界の四大文明は紀元前数世紀に栄えていたが、文字があった。天文学すらあった。エジプトで発見されたロゼッタストーンが有名だが、天才言語学者シャンポリオンによって解読され、古代エジプト王朝の細かな歴史が判明した。2020今、愛知県芸術センターで古代エジプト展をやってるよ。
君:幻の神代文字とは次元が異なる話なのよね。
私:その通り。古代エジプト王朝の時代に日本はまだまだ未開の島国だったんだね。
君:でも単一民族になり、日本語のプロトタイプが形成されるのよね。
私:だろうね。手元に数冊、蔵書がある。吉田金彦「日本語の語源を学ぶ人のために」世界思想社、津田元一郎「日本語はどこから来たか」人文書院、西郷信綱「日本の古代語を探る」集英社新書、澤田洋太郎「日本語形成の謎に迫る」新泉社、小泉保「縄文語の発見」青土社、山口謡司「日本語の奇跡」新潮新書、等々。
君:あなたなりの結論はどうなの。
私:北から南から沢山の大陸のアジア人が日本列島にやってきた。そして太古の日本人になった。日本語にはアジア近隣諸国の言語との共通点が多い。朝鮮語の影響も見逃せないが、結局のところ本当の事はわからない。
君:単一民族・単一言語だったので文字が必要なかったのでは、という動画の説はどう思う。
私:面白いね。反面、荒唐無稽。
君:日本語については記紀あたりから考えたほうが無難だわね。

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